読むめし

口で咀嚼するたけでは足りず、観念でも食べ物を愛でようとする人間

群馬県太田市の金山城から栃木県足利市の鑁阿寺まで歩いてみた 中編

前回、太田市金山城を訪ねて下山したところまで書きました。

 

baroclinic.hatenablog.com

今回はその足で足利へ向かいます。

 

いやー、当初は金山城訪問で時間と体力を10%ずつ使用するはずでした。

しかし実際には時間35%、体力を70%を使ってからの旅になります。

 

ああ関東平野、平たい畑が続くよ。

 

道祖神庚申塔麦秋だよ。


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家と道と緑だよ。

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たまに現れる水路は先人たちが苦労して築いたものなのでしょう。

散歩の人間にも癒しを与えてくれます。


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北関東の地に実りをもたらす水路よ。


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少し走って少し歩くのを繰り返して進みます。

 

「まだ走れるよね?」

「はい、少しなら」

と自問自答しながらの前進です。

 

「歩けなくなったらどうしますか?」

「うーん、わかりません」

と自問自答も成り立たない脳みそで脚を動かします。

 

そうこうしているうちに、ついに足利市に入りました。


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まもなく川の匂いがして、おや、あの階段は堤防へと続くものであろう。


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渡良瀬川みえた!


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しばし河原の草に埋もれて休憩しました。

ところであれですね、ジョギングする人々にはお馴染みの感覚かもしれませんが、河原ジョグって目標物までの距離が長いですよね。

 

しかしここで負ける訳にはいかない。

少しずつ走って歩いて、あれが足利の街だ!



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渡良瀬橋ですと。あの森高千里の歌にある。


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想像していたよりメカメカしかったです。


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で堤防の道から街へと降りて行くと、いきなりノスタルジーの世界が続いていました。


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ちょうど学生の下校時間帯でした。
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そんで、足利といえば足利学校なのですが、やはりこういう施設は4時半には終わりますよね。。

建物の中には入れず、ちょうど終わったところを外から撮らせていただきました。


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すぐに足利学校の隣の鑁阿寺へ。

鑁阿寺こそが今回の散歩もしくは旅の最終目的地でありました。


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デカい。


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遙かなる旅の果てに辿り着いた浄土のようでした。


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ここが、征夷大将軍にまでなった足利氏の本拠地だったのです。


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夕方の涼しい風に吹かれながら、境内に広々と置かれているベンチでアップルサイダーをゴクゴク。

体力が急速に回復します。

お寺でありつつ公園としての機能もあるのか、あちこちにベンチがゆったりと置いてありおじさんや外国人が読書していて包容力も感じました。

というか歩きどおしだった人間にとって、ゆったり座り放題の落ち着いた場所があるのは実にありがたいことでした。

 

防御機能も兼ねた中世武士の邸宅ということで、四角く水堀に囲まれているのも特徴的です。


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さり気なく足利マークの柵
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鑁阿寺は、鎌倉時代の初期に足利氏が自邸内に建てたお堂が始まりなのですね。

 

太田市金山城の山のふもとから鑁阿寺まで10kmほど、小走りと歩きで2時間ちょっとで行けるので、マラソンランナーの皆様におかれましては何てこと無い距離ですが、旅をした気分がありました。

 

さて、旅はここで一旦終わりましたが、次回は総括をします。

群馬県太田市の金山城から栃木県足利市の鑁阿寺まで歩いてみた 前編

仕事で太田市周辺へ出張になりまして、チャンスとばかりに猛然と地図を見たところ、近くに足利市がありました。

 

これは2都攻略だなと意気込んだのですが、現実は甘くありませんでした。

 

まず、午前中早々に仕事を切り上げる想定でしたが、いろいろ予期せぬことは起こるものですよね。

チェックした製品が、想定していたロットと違うものだったわ。てへ(漠然)

 

ここで予定より1時間後ろ倒しになりました。

 

あと暑かった。

これは想定しておけという要素ですが。

群馬ぐんぐん暑くなる。

 

散歩に出かける前に既にDAKARAのペットボトルを1本飲み干しました。

 

やっと太田駅のコインロッカーに仕事道具を放り込んだら散歩スタートです。

手始めに、太田駅の北にある金山城を目指します。

 

桜並木の運河を辿り、まっすぐ北へ。


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運河の先は大光院という大きなお寺で、金山の城山のふもとにあたります。


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大光院徳川家康が、自身の先祖であるとする新田氏を祀って創建した浄土宗のお寺です。


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(英語の解説がシンプルで面白かったので載せました。幕府はShogunateというのか)

 

家康よりも遠い昔、新田義貞よりももっと昔、鎌倉時代初期に新田義重という人は浄土宗の開祖である法然上人に帰依していたのですね。

 

たしかこの太田から10kmほど南に行き、利根川を渡った所にある熊谷市出身の熊谷直実も同時代で法然上人に帰依しました。

しかし法然上人ご自身は関東に来たことはなく、ほとんど京都で過ごしている・・・法然さんの武士からの支持がハンパない、とか考えて行くとキリがないので宗教の話はここら辺にします。

 

大光院の境内の裏から、隠し通路のようにハイキングコースが続いています。

地図上では太田駅から金山城まで直線距離で1kmほどに見えたので寄り道しても30分あれば到着すると思っていたのが甘かった。

けっこうな山でした。


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ハイキングコース、意外とあちこちに経路の網があったようで、山道で迷いました。だってお城行きの矢印が出ていない岐れ道があるんですもの。

 

そして金山の城跡に着いたら意外と規模が大きいの。

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日本100名城に選定されただけのことはあります。

山城の仕掛けがあちこちに出てきます。


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本丸跡には神社があり、新田神社といいます。


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あ、申し遅れましたが、金山城は新田氏の後裔お城とされています。


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太田市の殿様的シンボルは新田義貞であります。

 

そうそう太田駅前の銅像新田義貞でしたよ。
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新田義貞自身では金山城は築いていないとされていますが、彼の子孫が山に縄張りを固めて、かの戦国上杉軍団すら落とせなかったそうです。


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お城の山から見下ろす太田市、のみならず関東平野雄大で、なんか地球の丸さまで見えそうでした。

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風情のある建家のベンチで下界を見下ろしながら綾鷹のペットボトルごくごく。


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さて下山、下りはハイキングコースではなく舗装された道を走りました。

舗装された道は、つまり、距離は長いということですからね。山下りもひとつの旅です。

 

そんなこんなで金山城を下山した頃には相当時間が経っていたし、それなりに筋力・体力を消耗していました。

 

果たして徒歩で足利まで辿り着くことができるのか?

 

茶番ではありますが、次回に続いてしまいます。

 

 

横浜・野毛山から伊勢佐木町ベタに食べ歩き

1ヶ月ぶりのブログ更新となってしまいました。

ブログ開始以来最長の空白かもしれません。

 

5月、書きたい話は10個ぐらいあったのに、出力するパワーが足りませんでした。

 

そこら辺はあきらめずにゆるゆる振り返りながら書こうと思っております。

 

今回は、いつもの散歩の話を軽く書きます。

 

6月の初めは、恐れていたよりよほど気候の優しい日でした。

 

土曜日の午前中は、布団の中で本を読んだ後、朝食カフェタイムを経て掃除洗濯をして、午後から散歩に出かけます。

 

横浜、まだ飽きません。

今の部屋に住んで2年半ぐらいにはなりました。

 

東北人にとって憧れの、海に面した陽光かがやく土地、なんつって、実際には家から海が見える訳でもなく太陽の光はだいたいどの場所でも同じように届くのですが、横浜は住んでいるだけで気分が上がる場所ではあります。

 

だってほら、坂道と家、どんなに歩いても家


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ねこ

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谷と丘の向こうはきっと海

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という訳で野毛山にやって参りました。
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バラありまっせ


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季節は薔薇から紫陽花へと


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この日は野毛山から坂を降りて、伊勢佐木町へ。


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また坂がいいよね


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伊勢佐木町散歩、昭和の時代には「伊勢ブラ」とか呼ばれていたやつです。

 

散歩の途中でちょい飲みできるお店もちょいちょいあります。

お洒落ではなくてザ・大衆の酒場ばかりですが。


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台湾小皿料理の口福館でビール300円と、ハチノスのネギあえ399円、タッチパネルで注文できるの、現代的です。

お一人席で壁に向かって飲みますよ。

餃子や豆腐サラダが百円台からと、バル的な飲みを気軽にできるのが魅力です。

 

話はやや横道にそれるけど、伊勢佐木町からほど近い横浜中華街のお店も定食や大皿料理やコースだけでなく、一人で小皿をつまめるお店ができるといいなと個人的には思います。


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あ、ハチノスって、牛の第2胃袋のことです。

あみあみになってるやつ、好物なのです。

小皿料理は百円台からある中で399円は高いかなと思ったけれど、量的に2人ぶんあり、程よい柔らかさと弾力のあるハチノスをネギと香ばしいゴマ油でいただけて、充足しました。


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なにげに翌日の日曜日も所用で同じ方面を訪ねることになったのですが、また新しいお店をたくさん見つけてしまいました。

これは何と言うのでしょう、脚が何本あっても足りないし胃袋ももっとほしい、なんて牛みたいなことを言って今回は終わります。

平成最後の真鶴(まなづる)散歩、海と山と住宅と

公開が平成に間に合いませんでしたが、2019年4月28日、湯河原駅から徒歩で隣の真鶴駅へ、さらにそこから真鶴半島を1周した様子をお伝えします。

前回の記事の湯河原散歩と同じ日で、続きっちゃ続きですが記事としては独立しています。

 

犬が枝を拾ってきてご主人に見せびらかすのと似ていて、「見て見て、とにかく見て」という気持ちでございます。


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湯河原の温泉街は川を遡って山中の風情がありますが、市街地は意外と平坦で道がまっすぐでした。


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川!海!橋!人!車!

終わりゆく平成にそれぞれが海岸沿いを行き交います。

 

海岸沿いの幹線道路を辿れば湯河原から真鶴まで素直に着くらしいのですが、この日はやや山沿いの道を選びました。


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海から山への斜面にある神社とか


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海を向いている墓地、憧れるんですが、ほしいんですが。

 

海を撮っていたら犬の散歩をしている貴婦人に「こんにちは」とご挨拶されました。

地元の人だと思ったそうです。

たしかに、湯河原と真鶴の間の山側のジグザグ道を歩く観光客なんて滅多にいませんからね。

しかもGパンにTシャツの軽装で、バッグも小さいし・・・湯河原でクッキー買いすぎてパンパンだけど。


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こういう所で暮らせるものなら暮らしたいですよ。

 

そんなこんなで真鶴駅前をかすめて、半島へ突入です。


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ヤバいよ真鶴半島。

景色が好きすぎて脳みそから変な汁が出ている気がします。


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癒しを通り越して「フォォォォ」ってなりましたね。


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階段からダイブしたい。


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家ェェェェ、の向こうは海ィィィィ

 

さらに奥さん、半島の先のほうにはトレイルまであるんです。


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落ち葉や土を踏みしめるトレイルからの、荒磯の波打ち際コースもございます。


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岬の突端の先がこちら、三ツ石と呼ばれる名所でございます。

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海から階段を上がる途中にあるカフェでコーヒーなんかもいただけます。

階段を上がりきった建屋ではソフトクリームもあるのですが、この日はギリギリで閉店していました。16時なのか。残念。

 

からの、半島の突端から付け根に戻るべく、さらに歩きに歩きます。


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新緑を浴びまくる。

 

行きは斜面の上から漁港を見たのですが、帰りは港から坂を見上げました。


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気の済むまで歩き尽くした一日でした。

 

尚、真鶴は観光には素っ気なくて、「これが名物だ」というグルメもなく、干物でも買って行けば?というノリで、駅前の土産屋は1軒も見つかりませんでした。

 

しかし真鶴半島1周で8~9kmほど、トレイルあり荒磯あり港あり、令和になっても引き続き秘蔵(?)の散歩場所です。

湯河原で平成最後の散歩三昧

元号変わって令和になってしまいましたが、少しだけ戻って平成の話をします。

2019年4月28日(日)晴れ、横浜から東海道線に乗って1時間ちょっとで湯河原へ行って参りました。


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湯河原駅のロータリーには土肥実平とその妻の銅像があります。

もともと湯河原付近を治めていた一族で、源平合戦で頼朝や義経と協力してけっこう活躍した武将です。知名度はあまり無いけど(失礼)、この名前を覚えておくと平家物語の小説にもたまに登場して活躍のほどが垣間見られます。

 


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駅からのどかな道を歩いて3kmほどで、万葉公園に着きます。


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公園内の風情ある小路を小川沿いに奥まで歩くと、300円で入れる足湯があるのです。


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話の種にサクッと入っとくかと軽い気持ちで足を入れたらもう、足湯の浴槽が大小10箇所ほどあるのですが、全部入りたくなりました。


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連休中でしたが行列は無く、どの足湯にもほどほどに人がいて、実に丁度良い。


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それぞれの浴槽に効能を説明する看板が立っていて、全部異なる効能なのですが、それはおそらく底の石の大きさや配列によるものです。


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縁に腰掛けて底の石をフミフミすると気持ち良い。

たいてい足裏の刺激は痛くなってしまう方なのですが、縁に腰掛けているので自分で力を調整できます。これは良い。


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肌荒れや肝臓の調子、便秘など、本当かどうかは分かりませんが、何しろ足湯なので効能の看板を読みながらカップルやファミリーでも話が弾んでいました。


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さて、方向的には湯河原駅のほうへ戻ります。

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ねこさん

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ねこさん

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ねこさん

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ツツジもぼちぼちシーズンです。

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街角

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川沿いの歩道は芝生の上に座れる石が点々と置いてあるとか、湯河原の癒しを感じさせます。


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駅の近くにTivoli(ちぼり)というお菓子工場があり、プチ工場見学ができるうえに様々なお菓子を買えてしまいます。f:id:baroclinic:20190430150359j:image

試食がことごとく美味しくて複数買ってしまいました。

この後もしばらく散歩は続くのに、つい荷物を増やしてしまいました。


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芳醇で香ばしいバターの香り、スゾゾゾと口の中で解ける食感、小袋や小箱にプチ焼菓子が詰まっているのを見逃すことができなかったのよ。


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小袋詰め合わせが380円ぐらいよ(うろ覚え)。買っちゃうでしょ?

 

さてこの後、隣の真鶴(まなづる)駅まで歩いてから更に真鶴半島を1周するのですが、別の回にしましょう。

 

癒しポイントが多すぎてまともに歩けませんでした。歩いたけど。