読むめし

口で咀嚼するたけでは足りず、観念でも食べ物を愛でようとする人間

熊本。清正さまへの愛を街が叫んでいる。

はい、5月に熊本を訪ねました。

お城へ行かねばなるまい。

2016年の地震で大きく損壊した熊本城ですが、近付けば何かは見えるに違いないとアプローチします。

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たしかに壊れている。

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想像していたよりもあちこちが損傷し、ほとんど遠巻きにしか見ることができません。

しかしそれでも、お城の規模の大きさはよく分かります。
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こんなだだっ広い広場も、お城の内側なのです。

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広場から空堀を隔てて遥かに本丸が見えます。

世界にはピラミッドとか万里の長城とかありますけど、比肩する規模ではないかと思ったぐらいです。どちらにも行ったことないけど。

お城の規模にも驚いたのですが、それを甦らせようとする人々の気持ちを強く感じました。

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損壊を免れたためなのか、お城の真ん中あたりにあると思われる加藤神社には入ることができます。

訪れる人の願いはひとつ。

だと思いますよ?

言っちゃいますけど私、勢いで神社の募金箱に千円札を入れましたからね。
いや勢いではない、今でも千円は入れて当然だと思っております。

ちなみにその近くにあった御賽銭には5円です。

神様(つまりここでは加藤さん)ごめん?!

今さらですが、熊本城って、加藤清正っていう人がだいたい作ったんですよね。

その前にも多少の砦みたいなのはあったっぽいのですが、ザ・戦国時代に、秀吉が熊本のあたりを制圧して、「しっかり押さえとこうぜ」ってことで優秀な部下の清正を配置したら、城も街も作る作る。治水もバッチリで農民うるおう。

「清正様ありがとうー!」
という気持ちが現代まで伝わります。

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こちらがお城の近くにある清正様の銅像になります。
お城を作る指揮をする姿だそうです。

武将としてめっちゃ強くて、さらに城も作れて治水もできるとか、人間としてどんな仕組みなんだろうって、このブログで去年の5月に松江の堀尾さんの時も考えたかもしれないけど、本当にどういうことなんでしょうね。

今や人口70万人以上に発展した熊本の街では、からしれんこんをいただくでしょう。
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江戸時代、お城の料理人が殿様のために作ってみたら
「ウマーー!」
ったことになったらしいです。

ウマといえば
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馬刺もいただきますよね。

熊本の馬刺は、清正様が食糧難のときに馬を食べたのが始まりという説があります。

地震があってお城が損壊して意気消沈しているかと思いきや、昔からの名物料理が現代まで美味しく、熊本はバリバリにエネルギッシュな場所でした。

ちなみに6月24日は、清正のお誕生日かつ命日なのだそうです。

鹿児島、この星の活動の果てに

2017年5月に旅した九州シリーズです。
今回は鹿児島のレポートです。

いきなり桜島が噴火したようです。
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いやあ、灰が降ってるんだけど?
鹿児島の人ってすごいね。こんなに灰が降る所で生活してるの?

まさに桜島の縁を移動しているときに降ってきて、「なんじゃこりゃあ」となりました。
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道の駅に立っていた銅像が手のひらを上に向けて立っており、まるで灰を受け取るような、「なんじゃこりゃあ」ポーズでした。

桜島からフェリーで鹿児島市内へ渡ると、街の人々は灰を避けるために傘を差していました。

すごいぞ鹿児島、と思ったら、どうもその日の朝に噴火が始まったというネットニュースを目にしました。

これは、大変なことなのか?
それとも日常なのか?

旅の者には分かりません。

次第に、街の雰囲気やネットニュースの扱いを総合的に見て、この降灰は
「いつもではなく、まあまあ久しぶり」
程度のものだと理解してきました。

年によっても(山にとっては年とか関係ないけど)活動量は大きく違うようです。

降灰も止みかけた街へ飲みに出かけますよ。

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錦江湾を中心に九州近海で獲れた魚の刺盛をいただきます。

やっぱり鯛の種類が豊富で美味しい。
これよこれ。

皮が硬くて噛みごたえがある鯛も、それが特徴ということで、関東ではなかなかお目にかかれません。

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豚足にも果敢に挑戦。
たしかにこれは焼酎じゃないと合いません。

地元の銘柄をの焼酎を頼みましたが、やっぱり芋焼酎の区別はつきませんけど、いいんです。


翌朝は、鹿児島市からさらに薩摩半島を南下して開聞岳を見ました。

鹿児島市が九州の南端のイメージだったけど、実際に行くとまだまだ先があるもんです。
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思いがけないほど美しいフォルム、これはもう薩摩富士としか呼びようがない。
と思ったら、やっぱり呼ばれているよね。そりゃそうだよね。

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観光客もそこそこいる良い景色です。

そこから西の、枕崎へ行ってみます。
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JR線の終点、枕崎です。
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線路が途切れている場所で最果てを実感できます。

ここは鰹が獲れる街なのだそうです。

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街の中で食べた鰹ラーメンは、あっさり透きとおったやさしいスープに、鰹の漬けスライスが乗ったものでした。
写真では具材の下になっていてすみません。

港近くの物産館のような所では、お手軽な鰹の肴が入手できます。
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鰹の削り身と白子のパウチ、焼酎に合わない訳がありません。

地球の力と最果てと風景と、芋焼酎とグルメの鹿児島でした。

焼酎。それは九州

お腹の風邪の回復状況を見守っていたら、また時が経ってしまいました。
いよいよ梅雨に入って、夏を待つばかりとなって参りました。

先月(2017年5月)のことになってしまいましてが、連休は主に九州を旅しておりました。

自分にとっての新しい体験は、焼酎でした。

お酒が好きみたいな話をブログではしていますが、実はビール、ワイン、日本酒と、醸造酒が専門でした。

お酒は大きく醸造酒と蒸留酒に分けられ、
醸造酒とは、果物や穀物が液体の中で発酵してできたアルコール飲料
蒸留酒とは、醸造してできたアルコールをさらに蒸留したものです。

したがって、アルコールをさらに凝集する蒸留酒のほうが、よほどアルコール度数が高いです。

世の中には様々な体質の人がいますが、私は蒸留酒に弱いらしく、飲むとすぐ具合が悪くなります。

しかし、九州といえば焼酎じゃないですか。
食べ物も、焼酎に合わせているに違いない。

という訳で、おそるおそる挑戦です。
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わかったこと: ロックなら飲める。

ちびちびと冷たい液体を舐めます。
写真は宮崎市内のカジュアル居酒屋にて飲んだ、宮崎の芋焼酎です。

居酒屋の壁に焼酎の銘柄と酒造の場所がカラフルな地図で載っていたのですが、撮り忘れました。無念

日本酒のワビサビな白黒パッケージに対して、焼酎のラベルのブルーや赤の鮮やかさ・明るさって愉快ですね。

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宮崎に来たので、ベタにチキン南蛮です。
お客さんの大半が注文しており、なるほど衣が程良い酸味のタレに浸っていて、タルタルは惜しげなく乗り、チキンは胸で脂身は無く、しかしとても柔らかいのが良かったです。


宮崎県では、爆発的大ヒット焼酎の製造元「霧島酒造」にも寄りました。

霧島は鹿児島のイメージがあったのですが、宮崎県にもまたがっており、霧島酒造は宮崎県の都城市にあるのですね。

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霧島酒造で焼酎ソフト食べたよ。

すっきり目のミルクに、モアっと香る焼酎を混ぜて、すぐ溶けるので飲むようにいただきます。

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霧島酒造で専用グラス買ったよー。

焼酎の初心者なので、蔵元のグラスなら間違いないだろうと。
たぶん何の変哲もない、300円ほどのグラスですが、氷をザクザク入れて飲もう。

というわけで、焼酎に馴染むというテーマを掲げた九州旅でした。

(自分にとっての)焼酎の利点: 量が飲めないので、酒代が浮く。

焼酎の感想: 
 芋焼酎は芋の味がしない。
 アルコールを抽出した感がある。
 今のところ、どの銘柄も同じ味です・・・すみません。

胃が弱ったときの食べ物センサーは胃です。

連休中に急に胃がやられました。

嘔吐、発熱、リンパ節と関節の痛みがあり、原因は不明ですが、現在は段階的に回復しつつあります。

ピークから少し回復したときに劇的に美味しかったのが、梅とろろ昆布うどんでした。

<梅とろろ昆布うどん>
白だしつゆに茹でたうどんを入れ、とろろ昆布と梅干、お好みで鰹節を乗せます。おわり。

意外なほど一気に食べられました。

そんな状態の翌日は、食べられる食材をスーパーで探します。

食材を見るたびに胃袋センサーが反応するのが面白かったです。

たくあん→「固イデス」
わかめ→ 「消化ガ難シイデス」
茶碗蒸し→ 「具が固イデス」

この日は結局、冷凍お好み焼きを食べることができました。ふわふわで、ほとんどキャベツのやつです。

その翌日は、そろそろ何とかならないものかと、仕出弁当のメニューを眺めていたら、それにも胃袋センサーが反応しました。

イカの天ぷらチリソース→ 「固クテ油デ辛イデス」
チキン竜田ネギ香味ソース→「刺激ガ有リマス」
チーズクリームソースハンバーグ→ 「重イデス」

普段なら喜んで食べるものに対して、こうも感覚が変わるとは。

これまでは胃腸を始め内臓をとことん酷使してきたんだなあと思いました。

だって、肉と脂が大好きよ。40代なのに未だに焼肉は安いカルビが好き。
唐辛子でも胡椒でもジャンジャンかけたい。
ニンニクもショウガも、そのまま食べたいくらい好き。
ネギはいつも大盛り、食卓に常備。
香草も好き。パクチーも最近は冷蔵庫に常駐。
根菜類や海藻類など、食物繊維が強くて消化に悪いのもかなり食べる。

からの、つい毎日飲んでしまうアルコールですよ。

内臓にとっては試練の毎日だったことでしょう。

それで、胃炎のときぐらいは労ろうと、肉や脂や食物繊維をやめると、ほとんど炭水化物になってしまうのですね。

うどんとお好み焼き、そして次第に柔らかいパン、甘いパン、お菓子にも勢力範囲が広がります。

入手できなかったけど、マンナビスケット食べたかったなあー。
永遠のロングセラー・ビスコもいい。
あと、ウエハースなんかもいい感じです。

そうなんです、以前に胃腸炎になったときも、食べられるものが限られていたはずなのに、全然痩せなかったよ!

さらに、お肌がパッサパサ!

東京から横浜に引っ越して思ったこと

東京と横浜はほとんど同じ場所だと思っていたけれど、案外違うことに気がついてきたので書いてみます。

<この記事のための簡単な履歴紹介>

・様々な仕事へのアクセスが良いという理由から、品川区大崎に住んでいた。
・大崎のアパートが立ち退きになり、目黒区目黒へ引っ越した。
・派遣先が横浜になったため通勤が面倒になって結局横浜に引っ越した。

◼️品川区・目黒区から横浜に引っ越して感じたこと1

都内でイベント(というかほとんど飲み会)があると、満員電車に乗らなければならなくなりました。

東京駅から横浜駅まで、東海道線で464円、27分です。飲んだ帰りの満員電車の30分は、辛いよ。

◼️品川区・目黒区から横浜に引っ越して感じたこと2

イベント時の満員電車の苦痛と引き換えに得たものは、豊かな住環境でした。

参考までに、家賃です(共益費込み):

大崎 20平米くらい、1K 5万円
目黒 19平米くらい、1K 5.5万円
横浜 26平米くらい、1K 5万円

相場より安いと思いますが、条件を譲った結果です。
私の場合は、最寄り駅からの距離(+坂道)と築年数、あと和室などです。

個人的には、20平米を切ると一人暮らしでも厳しいと思いました。
26平米あると、生活が豊かに感じられるようになりました。
無駄なものを買って保管できると、何かいいね。

◼️感じたこと3

細かい呟きをつれづれに -

・皇居まで徒歩で行って気軽に2,3周して、そのまま帰宅して自宅でシャワーを浴びることは、もうできなくなったんだわー

・気が向いたら目黒川の桜を眺めに出られた春はもう来ないんだわー

・五反田、目黒、恵比寿にふらりと歩いて飲むことができなくなったんだわー
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写真は、先週行った五反田の「びすとろ魚金」です。
いろいろ懐かしかったです。

・朝から西へ出張のとき、東海道新幹線の最寄りが品川から新横浜になり、自由席の確保が難しくなったんだわー

◼️感じたこと4

概して、東京は商業的サービスありきで住居は隙間を縫うイメージでしたが、横浜は住むために整備されている街だと感じました。
たとえば、横浜には美しい大小の公園が多いです。

◼️感じたこと5

品川、目黒、横浜とか、オシャレな響きの街ですが、私が住む安アパートの周辺は、お年寄りが杖をついて歩き、コンビニのレジでゆっくりお金を数えるエリアです。
それはどこでも同じでした。

◼️東京と横浜の距離感

東京駅から30kmあたりにある街を調べてみました。

東京の西部なら国分寺
埼玉なら大宮、
千葉・茨城方面なら柏、
千葉なら幕張

こうして見ると、郊外感はありますね。

ちなみに、職場と住居が近接しているならば、この中で今一番住みたいのは国分寺です。

なんだこのオチは。