引越して、そしてIKEAで夢をみる
あのう、引越しました。
昨年からこのブログをお読みの方はご存知かもしれませんが、このブログの最初のタイトルは
『こちら品川区食文学研究所』
だった気がします。
今年の2月、アパート建て替えのため立ち退きに遭って、目黒区に引越したので、タイトルを目黒区に変えたのですが、まさか8ヶ月で目黒区を去ることになろうとは。
ブログのタイトルどうするのよ。
もう地名は入れないんじゃないかな・・・
引越した理由は、通勤に便利だからと、何となく部屋が気に入ってしまったからです。
横浜のとある住宅街に引越しました。
仕事が一段落ついたら、物欲が湧いてきました。
IKEAの店内を歩き回って新生活の夢にトキメキたくなりました。
はい、最寄りのIKEAは港北店で、数km走って行きました。
腹ごしらえは、恒例サーモンフェアの一環として、マリネサーモンのパスタサラダ348円です。
ドレッシングがかかってなくて、どうすればいいの?と思ったけど、サーモンの塩辛さでいただくんだわ、きっと。
知らんけどそれがスウェーデン流に違いないわ。白ワイン、合う合う。
そいでね、いろんな形のビアグラスとワイングラスを勢いで買いました。だいたい100円から300円台ですからね。
奮発して帰りにハートランドを買ってビールを注いだ結果、気がついたのですが、
グラス、ことごとくデカいわ。
(撮影の時間帯が異なる点はご了承ください)
居酒屋でグラスビール頼んでこれが出てきたら嬉しいけれど、1人で部屋飲みでそこまで盛り上がることは滅多にありません。
テンション上がり過ぎと、IKEAのスケールに巻かれた結果、グラス類は部屋のオブジェになる見込みです。
パーティーを夢みるオブジェであります。
シャンパン用のグラスには、ポプリ99円を入れてアート気分をアゲてやりました。
あと99円のガラスの平皿も用途を考えず買ったよね。
これもオブジェかもしれません。
それから形と風合いで、つい買ってしまったペン立て3点セット、299円也。
こう、3つの容器が一つに収まる形状なのよ。
あとは、4枚セットのキッチンクロス、何気にこれ買うのは3回目で、重宝しております。
このブログで部屋食の写真を撮るときに敷いてあることが多いかもしれません。
私が小さい頃、弟と走り回って周囲のジャマになっている間に、両親は真面目に具体的な生活を思い描いていたのかなあ。
なんて考えながら。
せっかく気に入った部屋に引越してしまったので、生活そのものを楽しみたいけれど、人生の先は分かりません。
ああ、ブログのタイトルどうしようかな。
佐原の小江戸散歩 そして豚肉
10月半ばの天気の変わりやすい日、千葉県の佐原に行って参りました。
豚肉がとても柔らかで、特に脂身が甘くてとろけるの。
途中、同じく千葉県にある佐倉に間違って目的地が設定されていたというハプニングも軽く乗り越えて、佐原を訪ねました。
東京・横浜方面から行く場合は、それほど方向が違っていないので、よかったね。
利根川沿いにあり、江戸からの水運の中継地で栄えた街です。
あ、もちろん上の写真の川は利根川ではありません。
利根川デカいですからね。
利根川からちょろっと横に逸れたのがこの小川です。
ここの岸に小舟をつけて荷物を運び出すほうがやりやすかったのでしょう。
両岸に古い建物が並びます。
観光客も、混まない程度にいて良い感じです。
やっぱり川沿いが絵になるけど、川からそれた街角も、静かな佇まいがあります。
街の人、あまり見かけない。
一応商都だったと思うのですが、商売っ気が少ないです。
晴れのち曇りのち晴れ、この日の雲の表情は豊かでした。
利根川の堤防までも歩いて行けます。
さて、商売っ気が少ない街で、やや難儀したのが食事です。
うなぎが名物らしいのですが、そんなに高いものを食べなくていいし、昔のお屋敷で食べるイタリアンも満席ですし、そもそもお店の数が少ないのです。
駅のほうまで行けば何かあるのでは?
と、川沿いの街並みから10分ほど歩いたのですが、チェーン店の影も見えず。
佐原駅の建屋は、商家風です。青い暖簾が特徴的です。
駅の横の、線路を跨ぐ階段が爽やかでした。
駅の近くまで来て、お店が少し集まっている場所にさえ飲食店が無い・・・万事休すかと思われた直後、見つけたのは豚肉のお店でした。
アボ豚(あぼとん)という、アボカドをエサにして育てる牧場のお店のようです。
アボ豚の蒲焼き重(1000円)を食べてみました。
しっかりした甘辛ダレの味付けで、シャキッとしたご飯の上に乗っていたら、おかわりも欲しくなります。
アボ豚の実力を見ました。
「イベリコ豚より美味しい」と自称していてオッケーっす。
豚カツも豚テキも食べてみたい。
そんな佐原の旅、次回はお土産編で締める予定です。
三河安城その2 まだ食べてます
三河安城レポートその2です。今回で完結します。
まず、梨です。
安城の梨は有名なのだそうで、たまに見かける農園から直接買うこともできます。
直接買える農園は、なんらかの看板が出ています。
農園で選別・箱詰めしている場所を訪ねて、テキトーに袋詰めしてもらってテキトーに買います。
直接訪ねると、一部が虫食いだったり傷が付いていて売り物にならない個体をオマケでもらえたりします。
さて、この安城という、水に恵まれた平らな土地ですが、昔はお城があったそうです。
戦乱の世で名前も定かではありませんが、いちおう「安祥」という名前が入ったものだったようです。
歴史博物館には貝塚の展示あるよね〜。
赤を基調に、デカい字で分かりやすく書いてあります。
それらの味は店によりますが、概して価格の割に量が多くてそこそこ美味しい。
そんなお店を一つ見つけたので、作業の合間の昼休みに入ってみました。
やっぱり多いよ。
1食でだいたい2人分です。
ラーメンと、メインとライスとサラダと小鉢と。
ドリンクも付くでよ。
黒酢酢豚を頼んだところ、デカかった。
写真では見えにくいかもしれませんが、デカい豚肉の塊が前後に2つ入っています。
高級なタンシチューみたいに、肉メインで、他は肉のためのソースぐらいの勢いです。
どうしてこんな店が多いのかと検索したところ、まとめが1つ見つかりました。
やや偏見が入っているかもしれませんが、数々の料理の写真をご覧ください。
梨、松平、中華料理とバラバラな話になりましたが、堪能した感はございます。
三河安城、食べて飲んで、荒天のデンマーク
仕事で訪ねたのですが、週末に1日フリーな時間ができたので、散歩しましたよね。
まずは腹ごしらえですが、グルメ情報としてはいきなりメインとなる「北京飯」です。
完全にこのような形での写真の掲載を狙われています。
休日のランチタイムで10人ほど並んでいましたが、10分もしないうちに入れました。
いわゆるパイコー、豚のスペアリブに衣を付けて揚げたやつと、トロっとした玉子がご飯に乗っているだけのシンプルな料理でしたが、たしかに美味しい。
玉子のトロみとパイコーのサクサク、そして味付けのバランスが絶妙でした。
さて、お散歩です。傘を差したり畳んだりの天気です。
全体的に、平らな田園風景でした。
田畑と、縦横の大小の水路がひたすら続きます。
田畑の中の道を走っているとたびたび見つかる水門は、昔の人の工夫の跡なのでしょう。
そんな昔の人びとの開墾を象徴化した施設というか公園が、「デンパーク」です。入場料600円。
どんよりした写真で、北欧の荒天を表現してみました。
あ、デンパークはデンマークを文字ったものと思われます。
ほらね、風車・・・って、風車はオランダのイメージですが、きっと近いデンマークにもあるんですよ。
花壇が園内にいくつかあります。
スケルトン風の花が気に入りました。
本当にデンマークらしいの分かりませんけれども、
蓮の池あり。
イタチ(?)と花あり。
さて、嬉しいことに、園内でクラフトビールが飲めました。
上の写真はアルトビア
「ごんの愛情」
です。
苦味とコクがあり、ほどよく冷えた大人の愛情をいただきました。
ごん、おまえだったのか、ほろ苦い愛情を置いて行ったのは。
この日は散歩の途中ということもあり、小さなグラス1杯だけにしましたが、もっと飲んでもよかったと思いました。
そんな、作業の合間の安城の旅でした。
記憶がめくれる。ドイツの白ワイン
しばらく更新が途絶えてしまいました。
ネタはあちこちに漂っている気がするのです。
しかし、ここで文章にする手前の線で、曖昧な顔をして奥の方に引っ込んでいるのです。
しょうもない食べ物の話を、軽く書くのでいいと思うんです。
ここはそういう場所のはずでした。
それなのに単細胞の私は、日々の仕事に脳みそを引っ張られ揺さぶられ、リソースが足りなくなっていたのでした。
今回は、とても美味しいと思ったものを皆さまにお知らせします。それだけです。
ドイツの白ワインです。
知人からお土産で頂きました。
ドイツ南西部、フランス国境にも近い、Baden-Baden地方のものです。
ラベルには、
Schloss Neuweierer Riesling
Kaztzenellenbogen
等とあり、単純な翻訳では単語が検索できないけれど、わりと普通のドイツ語っぽい文字が並んでいます。
バーデンバーデン。その響きのまま、古くから温泉が湧き出て保養地として知られる場所だそうです。
いわゆるライン川のほとりにございます。
ライン川といえば、ライン下りで川岸の古城とブドウ畑を眺め三昧の道楽です。
川岸の古城を囲むブドウ畑は、ドイツの白ワインをつくります。
日本では1990年代前半くらいまでSchwartz katze (黒猫)、LiebfrauMilch (聖母の乳)という2大ブランドが酒屋に並び、それまでワインなんてフランス料理屋で飲むものと思っていた人々が、自分でも美味しいと思えるしお手頃な価格のワインと出会った時代がありました。
あれから20年。
ワインはさらに安く、新大陸の赤白ワインが、ビールよりもお安くスーパーで買えるようになりました。
ドライで適度に酸味もあり、様々な料理にも相性が良い新大陸のワイン、私も何年もそればかり楽しんでおりました。
しかし不意に今、ライン川のほとりのワインを飲んだところ、暁にやがて消える露あるいは涙のような味がしたのでした。
舌に刺激を感じるギリギリの絶妙な酸味、その先端に詰め寄る葡萄の果実味、そして予期せぬ、しかしナチュラルに昇りたつ微かな泡です。
何年もドライでお手頃なのいいと思ってきたけれど、確実に大地に佇む果実のアルコールがありました。
料理に合わせるドライな白や、料理のスパイスにすらなる赤など様々な方向がある中で、そのものをただ飲むやつもあったよね。
って、忘れないように書いています。