読むめし

口で咀嚼するたけでは足りず、観念でも食べ物を愛でようとする人間

三河安城、食べて飲んで、荒天のデンマーク

三河安城という新幹線の駅は、名古屋駅から1つ東京寄りで、各駅の「こだま」だけ止まります。

仕事で訪ねたのですが、週末に1日フリーな時間ができたので、散歩しましたよね。

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まずは腹ごしらえですが、グルメ情報としてはいきなりメインとなる「北京飯」です。

既に丼に「安城名物」とプリントされています。
完全にこのような形での写真の掲載を狙われています。

休日のランチタイムで10人ほど並んでいましたが、10分もしないうちに入れました。

いわゆるパイコー、豚のスペアリブに衣を付けて揚げたやつと、トロっとした玉子がご飯に乗っているだけのシンプルな料理でしたが、たしかに美味しい。
玉子のトロみとパイコーのサクサク、そして味付けのバランスが絶妙でした。

さて、お散歩です。傘を差したり畳んだりの天気です。
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全体的に、平らな田園風景でした。
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田畑と、縦横の大小の水路がひたすら続きます。

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田畑の中の道を走っているとたびたび見つかる水門は、昔の人の工夫の跡なのでしょう。

そんな昔の人びとの開墾を象徴化した施設というか公園が、「デンパーク」です。入場料600円。
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どんよりした写真で、北欧の荒天を表現してみました。

あ、デンパークはデンマークを文字ったものと思われます。
安城付近は川たっぷりの平野などの地形がデンマークに似ており、昔の人がデンマークの農業を範として水路などを整備したのだそうです。
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ほらね、風車・・・って、風車はオランダのイメージですが、きっと近いデンマークにもあるんですよ。

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花壇が園内にいくつかあります。
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ケルトン風の花が気に入りました。
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本当にデンマークらしいの分かりませんけれども、
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蓮の池あり。
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イタチ(?)と花あり。

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さて、嬉しいことに、園内でクラフトビールが飲めました。
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安城市新美南吉ゆかりの地だそうで、「ごんぎつね」の「ごん」を冠した名前がビールに付いています。

上の写真はアルトビア
「ごんの愛情」
です。
苦味とコクがあり、ほどよく冷えた大人の愛情をいただきました。
ごん、おまえだったのか、ほろ苦い愛情を置いて行ったのは。

この日は散歩の途中ということもあり、小さなグラス1杯だけにしましたが、もっと飲んでもよかったと思いました。

そんな、作業の合間の安城の旅でした。

記憶がめくれる。ドイツの白ワイン

しばらく更新が途絶えてしまいました。

 
ネタはあちこちに漂っている気がするのです。
しかし、ここで文章にする手前の線で、曖昧な顔をして奥の方に引っ込んでいるのです。
 
しょうもない食べ物の話を、軽く書くのでいいと思うんです。
ここはそういう場所のはずでした。
 
それなのに単細胞の私は、日々の仕事に脳みそを引っ張られ揺さぶられ、リソースが足りなくなっていたのでした。
 
今回は、とても美味しいと思ったものを皆さまにお知らせします。それだけです。
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ドイツの白ワインです。
 
知人からお土産で頂きました。
 
ドイツ南西部、フランス国境にも近い、Baden-Baden地方のものです。
 
ラベルには、
 Schloss Neuweierer Riesling
 Kaztzenellenbogen
等とあり、単純な翻訳では単語が検索できないけれど、わりと普通のドイツ語っぽい文字が並んでいます。
 
バーデンバーデン。その響きのまま、古くから温泉が湧き出て保養地として知られる場所だそうです。
 
いわゆるライン川のほとりにございます。
ライン川といえば、ライン下りで川岸の古城とブドウ畑を眺め三昧の道楽です。
川岸の古城を囲むブドウ畑は、ドイツの白ワインをつくります。
 
日本では1990年代前半くらいまでSchwartz katze (黒猫)、LiebfrauMilch (聖母の乳)という2大ブランドが酒屋に並び、それまでワインなんてフランス料理屋で飲むものと思っていた人々が、自分でも美味しいと思えるしお手頃な価格のワインと出会った時代がありました。
 
あれから20年。
 
ワインはさらに安く、新大陸の赤白ワインが、ビールよりもお安くスーパーで買えるようになりました。
 
ドライで適度に酸味もあり、様々な料理にも相性が良い新大陸のワイン、私も何年もそればかり楽しんでおりました。
 
しかし不意に今、ライン川のほとりのワインを飲んだところ、暁にやがて消える露あるいは涙のような味がしたのでした。
 
舌に刺激を感じるギリギリの絶妙な酸味、その先端に詰め寄る葡萄の果実味、そして予期せぬ、しかしナチュラルに昇りたつ微かな泡です。
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何年もドライでお手頃なのいいと思ってきたけれど、確実に大地に佇む果実のアルコールがありました。
 
料理に合わせるドライな白や、料理のスパイスにすらなる赤など様々な方向がある中で、そのものをただ飲むやつもあったよね。
 
って、忘れないように書いています。
 

二度おいしい。缶つまのアヒージョ

家飲み派がスーパーの缶詰コーナーでつい足を止めてしまう「缶つま」シリーズ、どんどん種類が増えていますね。

缶でありツマミである性質上、中身を満たすのはオイルの場合が結構あるのですが、そのまま捨てるのがもったいなくなり、やってしまいました。

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残った油も何か付けて食べれば美味しいのでは?

と。

今回使用したのは、ニシンの燻製缶です。
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ニシンなんて地味な魚なので、特に若い人は好んで手に取らないかもしれませんが、これは柔らかくて香ばしくて油のコクもあって美味しいです。
この缶自体もすでに美味しいのですが、貪欲に畳み掛けようという訳です。

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まずは、スティックセロリをディップしたところ、予想通りの美味しさでした。
アヒージョというか、オイルフォンデュと呼ぶのでしょうかね。
セロリの主張を燻製風味のオイルがやさしく、かつ香ばしく包みます。

次に、カマンベールチーズを試したところ、意外と相乗効果がありませんでした(写真なし)。
オイルの食感も風味も消えてしまうんですね。
チーズはチーズで食べたほうがお得なようです。

次に、なぜか余っていたコロッケをブチ込みました。
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まあ、ふーん・・・
たしかに燻製オイルの香りは付きますが、それはそれという感じです。油っこいコロッケになります。

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今回試した中で一番おいしかったのが生ハムです。
しっとりしたお肉にスモーキー&オイリーな要素が付いて、相乗効果がありました。
当然ながら白ワインによく合います。

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それから、思い出したように小ネギを投入しました。
これはこれで悪くないです。
小ネギにオイルを絡ませて、いっそう多くの液体を具材とともにいただけます。
それこそバケットをつけるといいかもしれません。


ところで最近、お酒コーナーの近くにある「缶つま」的な缶詰と、調味料や乾物コーナーの近くにある昔ながらの缶詰のコーナーの、2種類の缶詰コーナーあるスーパーが増えているようです。

「缶つま」的なやつは高級志向で、300円から500円台の価格帯がメインですね。
ワインバーの前菜で出てくるような一品が、家で食べれたら愉快じゃない?という発想のやつです。
缶を開けたらそのまま食べられるのが特徴です。

一方、昔ながらの缶詰は、例えばツナ缶だと大根をおろしたり、レタスやマヨネーズが欲しいところです。

この差が価格の差になっていると思われますが、メーカーだって単価を上げたい訳ですから、次第に前菜的なものに近づいている気もします。

外飲みも家飲みも大好きな人間にとっては、今後の発展が楽しみです。

ガスト飲み、ガストロノミー

旅の記事がずいぶん続いてしまったので、このあたりで近場飲みの話を書きます。

ガストでもけっこうお安く飲めるようになっていたのですね。

グラスワインが99円よ。デカンタ500mlが399円。
これはサイゼリヤを意識した価格だと思われます。

赤ワインを飲みましたが、薄くて軽やかでした。

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甘辛ポークのサラダ249円。
飲みの出だしにぴったりではありませんか。

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ギョーザ4つで199円。
1つ50円と考えるとそれほどお得感は無いけれど、鉄板の上に焼き目が付いて出てくるパフォーマンスは盛り上がります。

ちなみにビールはジョッキ449円で普通です。
2杯目から399円になりますが、アルコールのコスパで考えるとワインがお得かもしれません。

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そして本日のメイン、オニオンリングハンバーグです。
単品で849円なので、その他メニューの安さが一気に吹っ飛びますが、祭の櫓のようなものと思えばいいのです。

某ハンバーガーチェーンの実物とは違い、メニューの写真通りに高さもあります。

こだわりのオニオンリングはサクサクで衣に味が付いており、当然のように美味しいです。

付け合わせはサヤインゲン、焼きコーンとハッシュポテトフライが付いているので一皿で野菜も摂取できます。他のメニューでも摂取してるけど。

こ本尊のハンバーグは、豪華2枚重ねです。
ふんわり優しい食感ながら、流れる肉汁とともにお肉の風味は濃厚です。

ソースも豪華2種類、テリヤキに近い和風がベースになっており、別途ガーリックマヨネーズがカップに入って添えられています。

お肉のレジャーアイランドや。

からの、
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冷やし担々麺的なやつです。
これは普通でした。
同じ系列のバーミヤンに任せた方がよろしいでしょう。

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お酒の肴にもう1品ということで、テリマヨチキンのオーブン焼きです。
ほうれん草が敷いてあるのがポイントです。一気に健康そうになります。
価格も299円となかなかリーズナブルです。

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ついデザートにも手を出してしまいました。
ストーンアイスパフェだそうです。
石の器でキンキンに冷えたソフトクリームを囲むのはチーズケーキとマンゴーとベリーです。
混ぜ混ぜすると、チーズ風味になったソフトクリームにベリーの酸味が爽やかなデザートになりやした。

どうもありがとうございました。

できすぎなのでは秋芳洞

秋芳洞は、山口県にある大きな鍾乳洞です。

入ってみた。
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入口を振り返った。
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洞窟の真ん中を流れる川が、洞窟っぽさを引き立てます。
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大きな空間に続いて早速現れるのが、百枚皿と呼ばれる形状です。
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どうしてこんな形状になったのかは、解説にはありませんでした。まだ謎なのかもしれません。

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ぶら下がり形状のやつ。

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柱状のやつ。

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盛り上がり形状のやつ。
なんだか彫刻みたいですよね。
マリア観音」というクールな名前が付いているようです。

・・・このように、目に入ってくる洞窟のオブジェに対して、見たときの感心のままに写真を撮りブログに載せている訳ですが、観光サイトや写真サイトと同じ内容で敵うはずがないんですよね。

そして、秋芳洞に行ったことのない人がこの写真を見ても、
「ふーん、洞窟」
程度の感想しか無いと思います。

秋芳洞のすごさは、実際に行かないと分からないものでした。

何がすごいかって、入口から入っていきなり地下の大空間が広がったり、お皿を重ねたような奇妙な造形が出現したりと、数十メートルおきにスペクタクルが現れて、それらが全て異なるテクスチャーなんです。

文字通りナチュラルなのに、博物館であります。

しかも先細りなし。
歩くごとに、見る者を感心される造形が現れます。

こうして文章を書いていると、もしかして誰かが人工的に作ったのでは?という疑念すら湧いてきます。


そんな秋芳洞を観たら、すぐ近くの秋吉台へも行きますよね。

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洞窟とは対照的に、砂漠っぽささえ漂います。
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そして、変わったオブジェなどもなく、ひらすら岩がゴロゴロしています。
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それがまた良い。

土壌のせいなのか、樹木が少なくて丘陵の果てまで見渡せる景色の中を歩きます。

難易度的にピクニックとトレッキングの中間ぐらいと言いましょうか、舗装されていない坂道だけれども坂ゆるゆる、遭難の心配もなし、辿り着きたい稜線や丘の頂上に行くがいい。

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自由度の高い未舗装坂道ウォークできます。

そんな秋吉台の売店にあったのは、柑橘系の果実を練り込んだソフトクリームだったのですが、なぜかこの時、自分のソフトクリームチョイスに自信を失っていて買う決断ができませんでした。

代わりに、次に訪ねた街・萩で飲んだ、みかん生絞りジュースの写真をお届けします。
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砂漠に居たら、間違いなく柑橘系のジュースを選びますね。
見ても嗅いでも潤います。

毛利に柑橘系に、驚きの洞窟と大地、そんな山口県でした。