なんかこう、めでたいことがあればケーキを食べるかもしれないが、ガチでめでたかったら不二家ではない。正直そんな気持ちはあります。
不二家の創業はずいぶん昔で1910年、明治43年です。Wikipediaより。
そこで日本初のクリスマスケーキを販売したのですね。
1922年にいわゆるショートケーキを販売し、そのクリスマスケーキのイメージが現代まで続いているのは驚きです。
そりゃもう当時は売れたことでしょう。
しかし時代を経ると他の個性を持ったケーキ屋さんも出てくる訳で、日本中に広まり大衆的なイメージがついたケーキは逆に不利な側面も出てきたと考えられます。
2008年に山崎製パンの子会社になったのですね。
そんな中、2021年3月の今、イオングループの小型店舗「まいばすけっと」で不二家のケーキを見つけました。
198円(税別)です。
なるほどこれは、特にめでたいこともないけどケーキを食べたい欲をお手軽に満たす需要をとらえてきたと。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、現在地店頭にある4種類をいただきましたので感想を書きます。
- ティラミスケーキ
そういえばティラミスを別にイタリアで食べたことも有名店で食べたこともないけれど、私の知っているティラミスの味がしませんでした。私が知っているティラミスは、コーヒーがタプタプしてチーズの風味がありました。このティラミスにはコーヒーもチーズの風味もなく、もちろん湿り気もありません。輸送の都合からドライなタイプにしたとしても、風味のほうをもう少しなんとかできなかったのか。これではクリスマスのときにお子さまに用意するシャンメリーです。すなわち形だけそれっぽくしたということです。あ、クリスマスつながりの喩えをしちゃった。
- チョコケーキ
とてもバナナが合います。一般的なチョコ味のスポンジケーキと一般的なチョコクリームの味です。濃厚ではなく、スーパーで売っている袋菓子の延長といったところです。フォークで食べるケーキの姿で現れたことに意義があります。特筆すべきはバナナがよく合ったことです。
- ショートケーキ
勝手なイメージでクリームがミルキー風味であることを期待しましたが、そんなことはありませんでした。実に、昭和生まれの日本人の頭の中にあるショートケーキそのもの味でした。クリームが格別にクリーミーであることもなく、スポンジは普通のスポンジケーキで、結果として普通においしい。それが2021年の今、ケーキ屋の閉店時間を気にすることもなく(まいばすけっとは24時間営業までは行きませんが夜遅くまで開いています)、200円ぐらいで食卓に置けることに意義があります。クラシカルなケーキを日常でいただける現代の幸せを噛みしめるべきです。
- ミルクレープ
これも勝手にミルキー風味のクリームを期待しましたが、そうではありませんでした。ただ、上記3種類に比べてクリームの占める割合が多いような気がして、クリームたっぷりのケーキ食べたい欲求には最も合致しました。リピートの可能性が最も高い一品です。
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そういえば山崎製パンでも別の製品としてスーパーでケーキを売っていますね。しかし問題は、2個入りなことです。いくらケーキを食べたくても重複となると躊躇します(はい、1人で食べる前提です)。
ここに来て1個スタンドアロンなケーキ販売は実に嬉しいことです。
包装も工夫されていて、他の食品と一緒に袋に入れて横倒しになっても崩れません。
欲を言えば、クリーム部分がミルキー風味にならないかなあ。