読むめし

口で咀嚼するたけでは足りず、観念でも食べ物を愛でようとする人間

豊橋散歩

横浜から名古屋や大阪へ行くときに、いつも通り過ぎてしまう豊橋という街があります。

 

最近は意識して立ち寄ろうとしていたのだけど、名古屋出張の予定が急に変更になったり、豪雨だったり、岡崎を歩き過ぎて時間がなくなったりと、なかなかご縁がありませんでした。

 

今回やっと、岡崎で開催された家康公検定の帰りに寄ることができました。2019年10月6日です。

 

行ってみたら、ついでに寄るというのは失礼なほどデカくて活気のある街でした。

 

JR豊橋駅から吉田城まで、歩いて20分はかかったと思います。

その間ずっと市街地でした。

市役所や文化施設がお城の近くにあり、駅からお城への方向に飲食店街やショッピング街が広がっているパターンです。

 

この日はたまたまお祭りだったようで、駅前の賑やかな通りでお子様による名物「手筒花火」の実演がありました。

いやーびっくりした。


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10月というのに30℃になってしまった日、病み上がりの足でヨタヨタと吉田城に着きましたよ。


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吉田城は、最初はおそらく戦国時代に牧野氏が作って、今川氏と松平氏が取り合った感じです。


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場所的に静岡県と愛知県の境目ですもんね。

てかごめん、豊橋って静岡県かなって、ちょっと思ってました。

 

お城の縄張は、豊川という川を背にして比較的シンプルな構造です。


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素人なのでシンプルとか言ってしまっていいのか分かりませんが、少なくともゴリゴリに防御のしくみを入れ込んだ城よりは、ポカッと川沿いの平地に立っています。


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尚、江戸時代の天守は取り壊され、現在は鉄筋の模擬天守となっていて、中には吉田城と城下町の歴史の展示があります。入場無料。


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合戦図の人の顔、かわいい。

1800年代前半の絵らしいです。

 

さて、お城を見たら遅いランチは豊橋名物のカレーうどんです。


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この日は勢川さんにて


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豊橋カレーうどんの特徴は、うずらの玉子が入っていることと、なんとカレーうどんの下にとろろご飯が隠れていることなのです。

 

和風だしのカレーにとろろご飯、合います。

この部分だけで発明と言っても良いのではないでしょうか。

最初はカレーうどんとして美味しくいただいていたのですが、とろろご飯に辿り着くとむしろうどんはいらないと思いましたね。

 

豊橋カレーうどんの紹介ページはこちら

(公式)

http://www.honokuni.or.jp/toyohashi/udon/

(おすすめ)

https://icotto.jp/presses/2250

 

これらホームページによると、このメニューは伝統的にあったものではなくて、2010年に市の観光協会と市内のお店が協力して開発したものなのだそうです。

 

なので、たしかにお店で見渡すと、地元の人ではなく観光の人が食べている傾向が分かりました。

 

すばらしいのは、地元の人に根付いた文化ではなくても、旅の人にお手ごろなグルメとして定着していることです。

 

基本的に1000円以下で、

豊橋に寄るから食事はこれにしとくか」

というノリで、特にお昼には適しています。

あと個人的に、胃腸の病み上がりだったのでスープに穀類が入って食べやすかったです。

 

それから豊橋で感心したのは、駅前の精文館という地元の書店の歴史コーナーが異様に充実していることです。

隙あらば豊橋に立ち寄りたくなることうけあいです。

 http://www.seibunkan.co.jp/shop/a/honten/

 

何だろう、豊橋の街からは活気と明るさを感じます。

 

浜松は浜松で面白いし、名古屋は言わずと知れた大都市ですが、その間に賑やかな街があったとは。

 

戦国時代から今川や松平、あるいは武田からも狙われて、江戸時代も藩主が何度か変わっているので、統治者のトップに絶対的な信用やアイデンティティを置かずに民衆は民衆同士で協力して立ち回ってきたのかな、

 

カレーうどん開発の根っこもそこらへんにあったりして、などと想像しつつの帰路でした。

 

さて、豊橋と川を挟んだ向かいには豊川の街があるのですが、そこは後日改めての目標となりました。

豊川稲荷を訪ねたいし、他の店のカレーうどんも食べてみたいし、次回はしっかり予定を取らなきゃね。