読むめし

口で咀嚼するたけでは足りず、観念でも食べ物を愛でようとする人間

岡崎の早朝、縁辺のそよ風を

2019年の夏休みは、縁あって愛知・岐阜方面へ1泊の旅をしました。

 

暑い。湿度が高い。そして迫り来る台風の8月14日、岡崎を散歩した様子をお届けします。

 

見て見て、岡崎市内の駅や資料館や、ホテルにまでテーマ別に街歩きやドライブマップが置いてあるの。


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ポケットに入るコンパクトサイズで全12種類ぐらいあり、コースごとに家康公が紹介してくれます。


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ふむふむ、今回は宿泊場所と時間から、岡崎城門前町巡りコースを中心にアレンジしてみましょう。

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早朝6時半に出かけましたよ。暑くなるからね。

 

まず訪ねたのは、若宮八幡宮です。


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なぜ若宮かというと、家康公の長男の首塚があるからです。

デキると評判だった長男・信康ですが、武田方との内通を疑われて織田信長の命令により自刃させられます。

 

諸説ありますが、最も期待をかけていた息子を殺さなければならなくなった家康の心情はもはや察する範疇を超えています。


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このとき、空には大きな虹が・・・って、カメラの露光設定を間違えてほとんど写っていません。なんてこった

 

その次に訪ねたのが八柱神社で、家康公の長男・信康と同じ嫌疑で死ぬこととなった、家康公の妻であり信康の母であった築山殿の首塚があります。


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次に訪ねた大泉寺は、家康の母親の遺髪が入っていると伝えられる墓碑があります。


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母親である於大(おだい)の方は、実家の勢力関係により松平家から離縁されます。

このとき家康公はまだ2歳でした。

 

って、

 

最初の3件だけでも話が重すぎるわ。

 

「人の一生は重荷を背負うて遠き道を行くがごとし」

とはよく言ったものです。

 

ここでポケットガイドの家康公を再び見てみましょう。


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・・・巡るほどに、天下統一までの険しさと泰平の世の素晴らしさを感じる旅になるであろう。

 

・・・

 

その次に歩いていったのは岡崎天満宮は、江戸時代に菅原道真を合祀して天満宮となり、下から見上げる階段と鳥居が清々しい場所でした。


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次の随念寺には家康公の祖父・清康とその妹である久姫のお墓があります。


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家康誕生のずっと前に二十代で殺されてしまった清康と、総崩れとなりかけた松平家を支えた妹の久姫が眠るお寺の白土塀は家康が作ったとされ、その向こうの斜面の墓石と塔も朝日に映える場所でした。

 

その次は諏訪神社です。


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気がつくと高台に立っていて、街が眼下に広がっていました。


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どうも、この日に巡った神社仏閣はすべて、高低差の大きい場所の縁にあったようです。

 

なんとなく境内に入って別の出口から出ようとすると、思いがけない落差で街を見下ろすことがしばしばでした。

 

高温の注意も出ている夏なので、朝の6~7時台に歩いてみたら、ちょっとした高台の風が爽やかでした。

 

徳川さんの故郷だからなのでしょう、庇護が厚くて落ち着いた境内の神社仏閣が多く、市街中心部の縁辺に沿って心地の良い散歩ができました。

まつわる話はたいがいヘビーですけどね!

 

地形からくる心地よさの締めは、甲山です。

ここも市街中心から徒歩で行けるのですが、緑に包まれた丘は地形の妙を感じさせます。


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岡崎城から鬼門の方向ということで神社とお寺の両方がありますが、古くは4~5世紀の古墳があり、場所として神聖視されていたことが伺えます。


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早朝とはいえ汗だくになり、ホテルに帰ってから無理サービスの氷をたっぷりグラスに入れて、ホテル内なのになぜか140円と安い自販機でグレープフルーツ果汁たっぷりの缶チューハイをいただきましたとさ。

休日でよかったですね。平和な時代でよかったですね。