読むめし

口で咀嚼するたけでは足りず、観念でも食べ物を愛でようとする人間

金沢城から松任城へ そしてブリ大根

まだ2018年5月の旅の話で恐縮です。

 

今回は、金沢城兼六園と、松任城という城跡を訪ねた感想です。

 

松任城を知っている人は多くないと思うし、金沢城松任城を並べてブログを書く人はあまりいないと思いますが、書きます。

 

金沢城イエーー
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でかーい
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歩くのさえ大変ー
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兼六園も広ーい
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いろんな見ものがあって面白ーい
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昔の人は兼六園を訪ねてさぞかし感心したことでしょう。

電気が一切無かった時代の、最大のテーマパークだったのではないでしょうか。

 

ここのお散歩グルメといえば金箔ソフトクリームだったのですが、

「だって味は普通のミルクでしょ?」

と思ってスルーしました。

今から思えば、ネタとして食べて何か突っ込めばよかったですね。

 

さらにこの日の宿泊は金沢をスルーして松任国民宿舎のような所です。

 

砂浜ギリギリに建っていて、ビーチサンダルのまま部屋と海を往復できそうです。

 

さあ、国民宿舎グルメだよ。

 

トンカツと刺身とブリ大根という組み合わせがいかにもそういう施設らしいです。
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トンカツは冷凍食品ぽさのある厚い衣でしたが、その中では最大限におばちゃんがおいしく揚げてくれたと思います。

 

特筆すべきはブリ大根です。

 

東京や横浜の生活では普段それほど食べませんが、北陸ではまずブリが美味しい。

それに付随して大根も美味しくなる。

 

ギュッと味が滲みて全体的に色の濃い一皿は、厨房のおばちゃん渾身の煮込みだと想像しました。

 

朝食がまた良かったです。f:id:baroclinic:20180826164007j:image

ブリの塩焼ももちろん美味しいし、ホタルイカはボイルだけど、酢味噌と合って優しい甘みがありました。
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そして、カツオのタタキと山菜を、酸っぱいタレで和えたもの?正体は分かりませんが、これが美味しかったです。
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魚と野菜をビネガーで和えるって、フレンチあたりまで行かないと無さそうなのに、日本の郷土料理のようなものがあって嬉しいです。

おいしいお米にも合うんだなこれが。

 

さて松任城跡は、JR北陸本線松任駅の裏にある、石垣も建屋も無い小さな広場です。

 

金沢城と比べたら、観光で訪れる人は1万分の1ぐらいだと思います。
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それでもここは城でした。

 

戦国時代、北陸一帯に広がった浄土真宗の人々が拠り所にした砦だったと言われています。

 

看板にある「百姓の持ちたる国」という言葉が矜持を表しているようでした。
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「百姓」という言葉は現代では差別用語ととらえる向きもありますが、公的な看板でそう掲げているのです。

 

身分の高くない一般の人々という、文字通りの「百姓」の意味を正面から使った、この地域の誇りを見出しました。


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今では広場の周囲に僅かに城下町の雰囲気を残すのみですが、その周りは海までほとんど田んぼです。

 

以上、絢爛な金沢城と静かな松任城、およびブリと食事でした。