2018年5月連休の旅の思い出です。まだ綴り続けております。
近江八幡、この、昔日の残照と現代に息づく歴史を感じる街の響き。
早朝の散歩では、期待に違わぬ姿を見ることができました。
近江八幡は琵琶湖のほとりにあり、水運を利用した商業が発展した街なのですね。
かの安土城もほど近く、豊臣家が商業をバックアップし、近江商人発祥の地となりました。
琵琶湖の水運が必要なくなると、運河は消滅の危機に直面しましたが、美しい景色を残そうという志の方々によって救われました。
現在の街の規模はそれほど大きくないのですが、水辺の緑と静かな街に心が洗われます。
ところがですよ。
水郷の市街エリア「八幡堀」から少し離れたところにラ コリーナというお菓子の総合施設ができまして、ガイドブックを見ると必ず載っているのですね。
「バウムクーヘンが最近の名物なのか。いいじゃない、食べようじゃない」というノリで向かったらですね、数kmに渡る渋滞ゾーンでした。
ラ コリーナ渋滞だったのであります。
やっと施設へ踏み入れたら、えらいのんびりファンタジー世界だったのですが、
建屋の中はバウムクーヘンをはじめ、どの売場も長蛇が大渋滞状態で
「買おうかな、でも並んで時間かかるし」
なんて迷うことすら一瞬もなく諦めるレベルでした。
この静かな水郷の街に何が起きたのか。
検索したところ、近江八幡発祥のお菓子屋さん「たねや」が、この広いお菓子パーク(?)の全てを運営していることがわかりました。
自然と共生しながら、人々が集う場を提供する。
なんというか、伝統的な日本の風景とは全く違うのだけど、だからといって世界のどこでもない、そして確かに自然はそこにある、不思議な風景です。
そしておびただしい人がいる。
これが外側からの資本ではなく、地元のお店から発展し、なおかつ自然と共生を目指している事実に、安心をおぼえました。
正直もう、ラ コリーナは近江八幡の街そのものよりもデカいと思います。
近江商人の水郷の街にできたお菓子屋さんが発展して、もとの街を圧倒する規模の新しい世界を、新しいのだけど元の世界と共生するような世界を目指している、興味深いパターンに出会いました。
次に訪ねる機会があれば、バウムクーヘンは攻略したいものです。
おまけ:
市街地から少し離れた田園風景もまた美しかった。田んぼの中に池がたまにあります。
自販機の佇まいが思いがけず爽やかだったので撮ってみました。