読むめし

口で咀嚼するたけでは足りず、観念でも食べ物を愛でようとする人間

春と海なら幸でしょう - 渥美半島の魚介たち

前回に続いて渥美半島を行きます。

半島の突端のほうには大きなホテルなどはなく、小さな民宿が数軒とそれに付随した小さな食堂があるだけです。

そのうちの一軒に行き当たりばったりで突入です。

https://www.instagram.com/p/BDeErsYGJEV/

刺身に添えられた菜の花が春らしい一皿です。

3点盛りなのですが、特に魚介の名前は告げられず。

切った形も整っていなくてブツ切り状態なのがまた素朴です。

おそらく鯛と、カレイのような白身と、あとミル貝っぽい破片でした。

ブツ切りであることによって歯応えが増し、弾力のある白身を存分にいただけました。


https://www.instagram.com/p/BDeExVrmJEf/

次はつみれ汁です。

大きな団子が2つ入っています。

これがまた何のつみれかは知らされないまま、大きな団子を小皿にとって、箸でくずしていただきます。

つみれの粒子が粗くて、海をまとった魚の風味がダイレクトに押し寄せます。

また、人参や蓮根など混ぜ込んだ野菜も程よい大きさで歯応えがあり、箸が進みます。

これが、ビールに合う。

スープに浸った団子がビールとよく合うのは、かなりの幸福度が高いです。


https://www.instagram.com/p/BDeEt-EGJEZ/

そして、タコと大アサリの卵とじ丼です。

大アサリは、おそらくハマグリほどの大きさがあるのですが、この丼ではいくつかに切られて入っていました。

卵とじ自体は家庭で食べるやつとさほど変わらないのですが、具材の組み合わせがなかなか無いものですね。


このお店は、渥美半島の先端のほう、伊良湖岬の田原屋という所なのですが、ネットにもほとんどレビューはないようです。

刺身も野菜も、一切れ一切れは厚みがあり素朴なのですが、だからこそ歯応えがあり食べ応えがあります。

味付けも程よく、そこに周囲を取り巻く海からの風味がやってくるので、あれもこれもいつまでも食べていたかったです。

お隣のグループが食べていた、アオサのてんぷらや何かの鯛の煮付け、それからやっぱり大アサリも食べてみればよかったなあなんて、メニューを反芻してまたお腹が空きます。


さて、そんな幸福な夕餉から一夜明けると、半島の視界は菜の花でした。

https://www.instagram.com/p/BDfkv86mJLE/

朝日に照らされた菜の花畑が続いていました。

https://www.instagram.com/p/BDfk3E-GJLX/

青き衣を纏いて黄金の野に降り立つナウシカの気分です。うそです。

https://www.instagram.com/p/BDgyTLfmJOF/

バス停の名前が菜の花畑です。

https://www.instagram.com/p/BDfk6rqmJLh/

光る野

https://www.instagram.com/p/BDfk9l4mJLk/

海を見ている。


昔から地図を見て訪ねたいと思っていた半島に来たら、思っていたよりもずっと良かったです。

変にリゾート化していなくて、のんびり綺麗な景色があり、海産物が舞い踊っていました。