春と海なら幸でしょう - 渥美半島の魚介たち
刺身に添えられた菜の花が春らしい一皿です。
3点盛りなのですが、特に魚介の名前は告げられず。
切った形も整っていなくてブツ切り状態なのがまた素朴です。
おそらく鯛と、カレイのような白身と、あとミル貝っぽい破片でした。
ブツ切りであることによって歯応えが増し、弾力のある白身を存分にいただけました。
次はつみれ汁です。
大きな団子が2つ入っています。
これがまた何のつみれかは知らされないまま、大きな団子を小皿にとって、箸でくずしていただきます。
つみれの粒子が粗くて、海をまとった魚の風味がダイレクトに押し寄せます。
また、人参や蓮根など混ぜ込んだ野菜も程よい大きさで歯応えがあり、箸が進みます。
これが、ビールに合う。
スープに浸った団子がビールとよく合うのは、かなりの幸福度が高いです。
そして、タコと大アサリの卵とじ丼です。
大アサリは、おそらくハマグリほどの大きさがあるのですが、この丼ではいくつかに切られて入っていました。
卵とじ自体は家庭で食べるやつとさほど変わらないのですが、具材の組み合わせがなかなか無いものですね。
このお店は、渥美半島の先端のほう、伊良湖岬の田原屋という所なのですが、ネットにもほとんどレビューはないようです。
刺身も野菜も、一切れ一切れは厚みがあり素朴なのですが、だからこそ歯応えがあり食べ応えがあります。
味付けも程よく、そこに周囲を取り巻く海からの風味がやってくるので、あれもこれもいつまでも食べていたかったです。
お隣のグループが食べていた、アオサのてんぷらや何かの鯛の煮付け、それからやっぱり大アサリも食べてみればよかったなあなんて、メニューを反芻してまたお腹が空きます。
さて、そんな幸福な夕餉から一夜明けると、半島の視界は菜の花でした。
朝日に照らされた菜の花畑が続いていました。
青き衣を纏いて黄金の野に降り立つナウシカの気分です。うそです。
バス停の名前が菜の花畑です。
光る野
海を見ている。
昔から地図を見て訪ねたいと思っていた半島に来たら、思っていたよりもずっと良かったです。
変にリゾート化していなくて、のんびり綺麗な景色があり、海産物が舞い踊っていました。