読書の秋、シチュエーションを楽しんだりスカしたり
村上春樹の小説は苦手ですが、小説以外は多少読む者です。
なぜ小説が苦手なのかは、今回は割愛します。
ただ、いくら苦手だと言っても村上春樹の本を読ませようとしてくる知人がいる「いささか」特殊な環境があることだけお伝えします。
今回は、最新の著書「自伝的エッセイ
村上春樹『職業としての小説家』」を預かりました。
村上春樹の本には、酒や心地良い空間が似合うと思います。
おそらく私は「酒を飲みながら読んで楽しい本」ということで村上春樹の本を読みます。
天気の良い日に公園の樹の下で飲みながら読む風景を実現しました。
缶入りですがアップルティー風味のカクテルと、ミックスナッツをお供にしました。
それっぽいと思います。
この本はタイトルのとおり小説家として自分の職業をどのように捉えているかを、章ごとに異なる側面からインタビューに答えるような文章で書いたもので、好きな人には待望の著書だと思います。
村上春樹はどのように書いているのだろう?あるいは、小説を書くことが自分に向いているのだろうか?そんな疑問を抱えて読者はこの本を手に取るでしょう。
私もブログを誰に頼まれもしないのに日々更新している人間なので、小説を書いてみたいと思ったことはあります。
しかしこれが、全然書けないんですね。
その理由が一つ、この本に示されていました。
よくまわりの人々やものごとをささっとコンパクトに分析し、「あれはこうだよ」「これはああだよ」「あいつはこういうやつなんだよ」みたいに明確な結論を短時間のうちに出す人がいますが、こういう人は(僕の意見では、ということですが)あまり小説家に向いていません。
これだ。
このブログでも傾向が出ていると思うのですが、「この食べ物はどこから来たのか?」「この場所はなぜこうなったのか?」を考えたり調べたりして書いてしまいます。
村上春樹はこれを「頭の回転が速い人」のように表現していますが、全く完全にそのようなことはありません。
死に至るほど回転が遅いです。
いずれにせよ、私が小説を書けない理由が一つ腑に落ちました。
尚、小説家に向いているのは、多くの可能性を可能性として残しておけるような人ということです - 「そうかもしれないし、そうでないかもしれない。」