ひたちなか市にとんでもない店が
ふらりと訪ねた、ひたちなか市は勝田駅の夜でした。
焼鳥か刺身か煮物か、軽く飲み食いしながらハシゴ酒でもしようと駅前をぶらぶら歩き、串揚げとワインみたいなメニューを掲げているお店に決めました。
何やら今年の3月までは串揚げのお店だったけれど、その後メニューが増えたとのこと。
おすすめは2人で4,280円のコースと説明を受け、たしかにお得そうなのでそれに決めました。
まずはロールパンとカンパーニュが、オリーブオイルとともに出てきました。
小麦の外皮入りで風味がよく、ふんわり暖かくて柔らかい甘みがついています。
あ、ワインは別料金で、ボトルでベネチアのミディアムボディのを頼んでみました。
軽やかで少し甘みがありつつ風味が豊かで、ややオレンジがかった明るいワインレッドは、実際にベネチアを想起させる味です。知らんけど。
粒コショウとガーリック、オリーブオイルの味がそれぞれに引き立っていて塩味も程よくボリュームも十分で、もうこれだけでこのお店に入ってよかったと思ったものです。
が。
なんかあの、披露宴の丸テーブルで食べるやつやないのこれ?
ミディアムに焼かれた厚いヒレ肉に、お皿いっぱいのソースの酸味を絡め、ソースを吸わせたマッシュポテトや脂身ぽってりのフォアグラを乗せていただきます。
この時点で既に、ボリューム的にも味的にもハシゴ酒は無くなっていました。
まさか次の「チーズ入りオムレツ」がここまでとは・・・
目の前の鉄板で焼かれたオムレツは、山盛りのチーズを包んでいました。
追い討ちをかけるように、仕上げに小鍋一杯のチーズ風味のクリームソースがかけられます。
もうこれは、卵の風味が付いたとろけるチーズの島に、さらにチーズの波が押し寄せているっていうか狂気にすら近づくチーズ三昧であります。
おそろしいと思いながら、スプーンでお皿の全てを掻いてしまう・・・なんておそろしい。
そしてごめん、写真を撮り忘れたのですが、ここで2本の串揚げが入りました。
豚串と、マグロチーズ串をウスターソースの壺に付けていただきます。
しっかりたっぷり濃いですよ。
そして最後は、ワタリガニのトマトクリームソースパスタとかもうどうしましょう。
カニ様、たくさん乗ってる。
噛みごたえのある茹で加減のフェットチーネに、キトサンを感じさせる凝縮した蟹のエキスとトマトとクリームが絡むんですよ。
「串揚げで軽く1杯」のつもりで入店して、正装でいただくようなリストランテ状態になったの、なんでだろう。
しかもお値段は2人で4,280円、1人あたり2,140円(税別、料理のみ)ですと。
いやー、とんでもないとつぶやきながら店を出て店名を確認したところ
「串とんぼ」
って、
串揚げ屋のままなんかーい。
ずっとこの路線で続いてほしいけれど、味と内容に対して価格が安過ぎるので、遅かれ早かれ変化が訪れてしまうのでは、と心配になるほどお得な晩餐でした。