芯から暖まる、赤の他人の料理
あんまり目に見えないものや触れないもののありがたさについて語りたくはないのですが、たまに熱のこもった料理に出くわすことがあります。
体内に取り込むと、そのものが持つ熱量以上に暖かさを感じるもの -
実家で飲むオフクロの味噌汁なんかはそうかもしれません。
オフクロではない場合で、外食で他人が作った料理にそういう熱量を感じたらラッキーではありませんか。
私は先週出会いました。
その名のとおりインスタントラーメンを玉子でくるんで焼いたものなのですが、美味しい。
オムレツは最近のトレンドとは違い、ふわとろではなく表面がカリッとしていて中身の麺と相互に浸透している層もあります。
そして感心したのが、元々のチャルメラには入っていなかったはずの叉焼のサイコロ切りです。これが程よい感覚で散りばめられ、一口ごとの存在感をもたらします。
地方の小さな居酒屋で、料理人は店長一人、それがずいぶん丁寧な仕事をしている。調理するときに相当集中しているのだと思います。その集中力が、食べる人に熱量となって伝わる。
これ以外の料理 - 大根と鶏の煮物やメンチカツも同様に熱を持っていて美味しかったです。
初冬で紅葉も散ってしまった甲斐路で、実際に身体の真ん中から暖まった夜でした。