読むめし

口で咀嚼するたけでは足りず、観念でも食べ物を愛でようとする人間

エンゲル係数について考える

エンゲル係数がニュースになりましたねえ。

国会答弁で野党が、エンゲル係数は上昇傾向にあり生活は苦しくなっていると指摘しました。

これに対して安倍首相は、

エンゲル係数の上昇自体は「ファクト」だと認めつつ、その原因には「物価変動のほか、食生活や生活スタイルの変化が含まれている」と反論

したとのことです。

news.nifty.com

私は特定の政党を支持している訳ではなく、どの政党も賛成できる政策とやめてほしい政策があって選挙は悩ましいといったスタンスで、このブログもどういう結論になるか分からずに書き始めていますが、どうにもテーマが面白いので書いてみます。

Wikipediaの「エンゲル係数」の項目がこの国会答弁の翌朝に、匿名のユーザーによって

「値が高いほど生活水準は低い」とする「概要」の項を全面的に改稿、エンゲル係数の重要性を否定する内容に書き換え

られたことで、この話題性が大きくなりました。

これを発見した人がTwitterでつぶやくと一気に拡散し、ちょっとバズります。

そして事態はWikipedia書き換え合戦へ。

これに気づいたWikipedia運営が、この項目の編集を一時的に凍結というところで現在は落ち着いているようです。

私が個人的に眺めていたTwitter界隈では、「エンゲル係数が高いほど生活は豊か」と本気で思っている人が複数いて、それはそれで考えさせられました。


さて、我が生活を省みると、エンゲル係数は高いと思われます。
ええ、家計簿をつけていないので感覚だけですが。

食べ物のブログを書いているぐらいですから、食べ物のことを考える割合は大きいです。

服にも靴にも鞄にも興味がない。車もない。安アパートに住んでいて、趣味は散歩と読書。犬は好きだが犬はいない。収入は低い。

食費の割合が高くなる要素しかない。

さてここで問題になるのは、「どこまでをエンゲル係数の食費としてカウントするか」です。

1ヶ月の半分ぐらいは自宅でお酒を飲んでしまうのですが、お酒自体はカウントしないとして、自分で「オードブル♪」なんつってメインの炭水化物の前にいただく前菜は、エンゲル係数を算出するための食費に含まれるのでしょうか?


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安くはないけど美味しいからつい買ってしまう焼豚はどうでしょう?

出張に行って地元の刺身や地鶏の惣菜、名物の弁当を買い込んでホテルの部屋で地酒と楽しむ場合は?
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・・・って、アホな生活を垣間見せてしまいました。

でもこの観点からだと、、「エンゲル係数が高いほど生活が豊か」という感覚も分からなくはないのです。

食費を切り詰めようと思えばもっと切り詰められると毎日思っております。

しかし、極限まで切り詰めたら私の元気がなくなってしまいます。

食事の楽しみは、生きて行くうえで必要なのでございます。

一方、最近食糧の価格が上がっていることは事実であり、それはそのままエンゲル係数に反映されることでしょう。

オードブル的な食卓の華やかさを楽しみつつも、野菜や肉の価格が上がって困ったなあ、とも思います。

なので、私の結論としては、「エンゲル係数が高いことが一概に生活の質の低下を示すものではない。しかし、食糧の価格の上昇によって生活が圧迫されている側面もある」という当たり前のことになりました。

 

当ブログは今後も真摯に食べ物を見つめる所存です。