読むめし

口で咀嚼するたけでは足りず、観念でも食べ物を愛でようとする人間

熊野の夜と朝と昼

行ってきました紀伊半島シリーズ、第3回にして完結編です。

例によって前の記事を読んでいなくても関係ない記事となります。

今回は、食べたものや見たものをひたすら写真でご紹介します。

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熊野市の宿のお料理は、秋の恵みで始まります。
栗、芋、豆、それから鮎のヘシコなど。
山も川も神話の世代のように一体よ。

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上は秋刀魚、下は梅のように見えて、トマトのご飯です。
酸味があって、秋刀魚の塩と脂と絶妙なコンビネーションでした。

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透明感のある刺盛、右手前は太刀魚です。
ミカンのタレもアクセントです。

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豚味噌焼とキノコ焼いたやつ。
濃縮した秋の野趣あり。

そうして宿の夜は更けて
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朝も朝からお魚焼いちゃうよ。
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ミカンとお茶とヨーグルト、そんな組み合わせの和洋折衷・朝バージョンです。
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そう、ここは和歌山。

ということで、熊野古道を少しだけ歩きました。
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熊野古道は、紀伊半島の全般に渡って網の目のように、いや網は言い過ぎだな、網よりは低い密度で存在するものだったのですね。

一本の道が数十〜百数十kmに及ぶなんて、ゆっくり来たらトレイル散歩のおかわりし放題じゃないですか。

今回は初心者コースで、那智の滝那智大社の周辺をウロウロする数km散歩です。

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わーい、那智の滝、下の方に虹が出ていたよ。
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滝が神というのも分かる気がしました。

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道をずんずん歩きます。

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山の中だとばかり思っていたら、遥か向こうに海も見えました。

これが熊野の特徴的なところかもしれません。

海から少しでも山に入ると、そこはもう山の世界で、海の要素が感じられなくなってしまう。
と、司馬遼太郎がどこかで書いていて、なるほどと思いました。

お昼は肉うどんと「めはり寿司」です。
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めはり寿司とは、熊野から吉野あたりにかけての郷土料理で、高菜の浅漬でおにぎりを包んだものです。

つまり海苔の代わりに高菜を使った形となり、野菜の充実感があります。

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めはり寿司の中身のご飯は様々なバリエーションがあります。

那智のお土産屋さんに併設の小さな食堂で食べたのは、みじん切りの菜っ葉を酢飯に混ぜためはり寿司でした。
おいしい。

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デザートは、黒飴ソフトの黒蜜がけです。

黒飴も黒蜜も元々砂糖なので、ご当地ソフトの中ではだいぶ無難な味ではありますが、香ばしさが特徴的でした。

那智黒飴は、熊野地方で取れる黒石で作られた碁石を模した名物です。
なるほど、昔の人のナイスなアイデアです。

さて、食べるだけ食べて、美味しい所どりの今回でしたが、次に来たら熊野トレイルをガシガシ歩くことでしょう。