チキンは柔らかくクセがなく、筋や脂も気にならず赤みと程よいバランスで、衣はもちろんサクサク揚げたてです。
それだけでも嬉しいのに、カツの一枚一枚に丁寧にソースがかかっていました。
ウスターとデミグラスの中間ぐらいです。
さらに、周囲にはたっぷりのタルタルソースが溜まっていました。
本チャンのソースの他に付いているとテンション上がります。
さらに、逆サイドには粒マスタード付きです。
味のアクセントになるしウエスタンな雰囲気も出ます。
さらに。お皿に乗っている付け合わせはキャベツの千切りに過ぎませんが、ドレッシングがオニオンベースでチキンカツによく合う。
これで800円。
チキンカツタワーというものに初めて出くわした訳ですが、いきなりハイレベルでした。
2人で1皿にしましたが、美味しいのでこれ1人1皿で行けたのでは、という感想です。
場所は、九度山です。
えっ、九度山。
これまで日本国内でいろいろ訪ねてきたけれど、そういえば京都や大阪から南にぶら下がっているゾーンには行ったことないね、という理由からでした。
「なんで九度山?」
その、「なんで」がポイントでした。
我々は「なんとなく」という理由しか無かったのですが、他の人々にとってはあえて訪ねる理由が少ないようなのです。
昨年の「真田丸」でえらいことになったんじゃないですか?
とチキンカツタワーのお店のマスターに聞くと、たしかに去年は一瞬だけすごかったけれど、1年も経つともうドラマ放送以前とほとんど同じになってしまったそうなのです。
たしかにこの居酒屋さんは、客席で談笑していたおばちゃんがキッチンに入ったりするような地元に根付いたお店で、九度山の観光に来た人があえてこのお店に来たのは1年ぶりぐらいの勢いでした。
それで、できたての地元の柿を袋に入れてたくさんいただいたり、お店オリジナルの真田の掛軸などをいただく歓待を受けました。
ふっ、私が徳川クラスタなんて絶対言えない。
まあしかし九度山は、想像よりずっと開けていました。
森に囲まれている訳ではなく、人家が連なっており、余裕でWi-Fiもつながります。
だからこそ、町としての存在意義が揺らいでいるのだそうです。
ちなみに九度山は高野山の麓にあり、高野山は女人禁制のため空海のお母さんが麓で暮らしていて、空海はお母さんに会うために1カ月に9回も山を降りたことから、九度山というのだとお店(とお客)の人々から聞きました。
真田家も、最初は高野山に封じ込められたのですが、女性も含めた家族みんなで暮らしたいと願い出てここに来たのだそうです。知りませんでした。。
九度山はこれからどうなって行くのか、どうすれば良いか私には分かりませんが、チキンカツタワーは立っていてほしいと思います。