思い出
この週末から目黒区の人となりました。
立ち退きに遭い、七転八倒の末なんとか引っ越しました。
ブログの間隔がまたもや空いてしまって悔しいです。
仕事と引っ越しで私のメモリはすぐに満杯になってしまいました。
引っ越しが苦手です。
得意な人がいるのかと思われるかもしれませんが、私は特に、先を読んで段取りするのも手続きの仕組みを理解するのも、そして何より片付けが不得意なんですよ!という劣等感を持っています。
単身の引っ越しだけでもプレッシャーでいっぱいいっぱいでした。
さらに連日デッドラインに追われる仕事もあり、感傷の入る余地が少なかったのは、却って良いことだったのかもしれません。
結局最後の日々は無我夢中で終わりました。
そんな中で、なんとか撮った写真をとともに昔の部屋の記憶を辿ろうと思います。
週末の、特に土曜の朝が楽しみな部屋でした。
南と東向の二面採光、築52年で、風が吹くと部屋が揺れました。
建て付けもひどくて、ふすまと柱の間に斜めの隙間がありました。
壁と柱の間からトイレの明かりが直線上に漏れていたのには驚きました。
しかし何物にも代えがたいのが朝の光でした。
コーヒーか紅茶を淹れてお菓子を食べて過ごす週末でした。
キッチンも合わせると、謎の三面採光です。
古くて小さい建物にはたまにありますね。
夕方になると西向きのキッチンが明るくなります。
たまたま東西両側が小さな庭(どちらも他人の家)になっていて、お得度が非常に高い物件でした。
しかもリフォーム直後で、新しい便器まで得られました。
きれいだったので、毎週磨きました。
写真は控えますが、数少ない部屋の訪問者からは全てお誉めの言葉をいただきました。
母「お父さん、ちょっと来て、トイレがピカピカよ」美しいままアパートごと解体される運命のトイレは、
「きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。死んでるんだぜ」(あだち充『タッチ』より)
あるいは、
川に沈むオフィーリアを見ているような、
そんな気持ちでした。
さて、この部屋の形見があります。
カーテンレールを取り外して新居に持って来たのです。
新居のカーテンレールはシングルタイプだったため、ダブルにするべく、新旧両方のオーナーさんに断って旧居のダブルレールを取り外し、新居に取り付けました。
そんなこんなで新居1日目の朝の写真を載せます。