小田原の一夜城に行ったらスイーツもりもり食べた
小田原から車で箱根を越えようとすると、不意にスイーツの看板が見えることがありました。
ん?一夜城で?パティシエ?
気になっていた場所についに行くことができました。
そこは楽園のような史跡のような、というか実際城跡と店の敷地が隣合っている不思議な場所でした。
小田原の街を見下ろせる小高い山に、一夜城とか石垣山城と呼ばれる城跡があり、小田原城の北条氏を攻めるために秀吉が築いた砦なのですね。
その城跡の隣に広い駐車場があり、駐車場はお店の敷地なのですが、城跡見学でもそこに停めることができ(特に禁止事項が書いていない)、というか城跡が主な目的でも、スイーツ買っちゃいますわな!
という流れがありました。
せっかく来たんだから、持ち帰りのできるクッキーぐらい買ってみよう。
おや、パンも美味しそうだから買っとこう。
レジを待つ間にショーケースのケーキを眺めることになり、辛抱たまらん。
→ケーキまで買ってしまい、お店の前のテーブルでいただきました。
我が人生に一片の悔いなし。
写真左手がモンブランになります。
もはやモンブランの原義「白い山」の跡形も無く、硬い溶岩が突出している地形のようですが、完全に美味しかった。
栗ペーストの下には洋酒の香る甘さ控えめな白いクリーム、そしてその中にマロングラッセがゴロッと埋まっています。
そして土台がまた、1つの独立したお菓子にもできそうな洋酒香るしっとりタルト生地に、これまたマロングラッセが惜しみなく入っているのですね。
これで500円台でした。
写真右はナッツのシューです。
ナッツがね、複数種類あるのですが、それぞれの味が濃いのです。
クリームはプラリネってやつで、茶色スイーツの香ばしくまったりした贅沢時間を過ごすこととなります。
こちらも500円台。
訪ねた日は小雨がちの曇りだったのですが、小田原の街と相模湾を見下ろしながらパティシエの至福スイーツがいただける訳です。
他の紹介は巻きになってしまいますご、彩ゆたかな野菜が乗ったカレーパンは、ルウが本気の香辛料でたっぷり入っていたし、キッシュはキノコの食感と風味に満ちていたし、袋入りのお土産スイーツもそりゃあ隙間なく美味しかったです。
敷地には小さな畑と、パティシエ鎧塚氏の妻であった川島なお美さんの碑がありました。
死期が近づいた川島なお美さんが残したと思われる言葉が刻まれていて、読むと泣けちゃうのでここには書きませんが、相模湾を見ながら泣けます。
何故このような場所にお店を開いたのか調べたら、小田原市の記事がありました。
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/mobile/2014/2011kouhou/20111101/01-4.html
地域とともに店があるのですね。
一夜城を見に行き、怒涛のスイーツ攻勢に吹き飛ばされたお散歩旅でした。
牧場でバターを作ってみた
これまでで一番美味しいバターを食べました。
ほどよく冷やした容器に生クリームを入れて振ること15分、それだけで無塩バターができてしまうのですね。
自宅でやると温度管理や降る加減などが難しいのですが、牧場のバター作り体験なら、お姉さんがタイミングを教えてくれます。
熱海から伊豆半島の山のほうへ車で15分ほど行ったあたりにある、「オラッチェ」という牧場+体験+商業施設に行って参りました。
伊豆・熱海で美味しいソフトクリームを味わえる|酪農王国オラッチェ
生クリームを100mlほど、ジャムの瓶みたいなガラスの容器に入れて、それを(手の熱をあまりかけないように)持って、ひらすら上下に振ります。
すみません・・・それほど期待していなかったので、初期状態の写真を撮っていませんでした。
上の写真はけっこう振った後です。
最初は液体の生クリームが瓶の半分くらい入っている状態でした。
振ること数分で「振りごたえが無い」感触になり、それはホイップクリームなのだそうです。
そこからさらに振り続けると、個体と液体が分離してきます。
瓶の真ん中にコロンと固体が出現します。
これで完成!
サービスでもらえる塩付きクラッカーに付けると、脂と乳の風味が鼻腔いっぱいに拡がります。
バターに新鮮さを求めたことなどありませんでしたが、できたてのフレッシュな美味しさを知りました。
隣でバターを作っていた5歳ぐらいの男の子が本気で「おいしい!」と3回ぐらい言っていたおかげで、重ねておいしさを実感します。
(というか、5歳で甘くもしょっぱくもない塊を美味しいと感じるとはツウですね)
そして、牧場といえばもう必須になりつつあるソフトクリームも、お勧めできます。
濃縮還元という言葉を果汁ではよく聞きますが、このソフトクリームは粉になるまで濃縮したミルクを250%ぐらいで戻したような濃さでした。
こちらは350円で完成品を購入しましたが、アイス作り体験も別途あるようです。
伊豆の地ビールも飲めるでよ。
ラブリーな牛さんの表情を収めましたのでご覧下さい。
これまで、旅先で手作り体験というと時間が合わなかったり無かったりしてなかなかできませんでしたが、ここでは15分でお手軽な体験ができ、今さらかもしれませんが生クリーム・ホイップクリーム・バターの成り立ちを知りました。
牛乳と生クリームとバターについては、下記のリンクが参考になりました。
牛乳の、脂肪分が多いところをゲットしたのが生クリームで、生クリームから固形分を分離したのがバターなのですね。
これを知ったことで今後、ちょっとだけ幸せに行きられそうです。
城址公園だけではなかった、癒やしの小田原散歩
小田原近辺の歴史は未勉強なので、お散歩メインの記事となります。
小田原と言えばすぐにお城のイメージが浮かび、これまで箱根などへ行くときに時間があれば、小田原城址公園に立ち寄って「小田原に寄った」ということにしていました。
しかしこのたび、お城の外郭「総構(そうがまえ)」が大きくお城を取り巻いており、全長約9kmに及ぶことを知りました。
散歩にちょうどいい長さではありませんか。2019年1月4日、行って参りました。
地図は、小田原城の公式サイトからPDFで見られます。
https://odawaracastle.com/global-image/units/upfiles/304-1-20171016150531_b59e44c2bc1c75.pdf
また、JR小田原駅の改札を出て正面にある観光案内所では紙を無理で入手できます。
別に順路が決められている訳ではないので、好きな場所から始めます。
北の方角にある「城下張出」から反時計回りにスタートです。
ちょっとした広場で親子が縄跳びなどしている平和なスペースで、
垣根の奥へ進むと、ストンと斜面が落ちていて、これが「堀」なのだそうです。
こんな調子で、お堀を辿ってずっと歩ける訳ではなく、中世ヨーロッパの城郭都市のように城壁の上を歩ける訳でもなく、ところどころに露出する土塁と堀を点と点で繋ぎながら、一般道を歩くのがメインとなります。
張り切ってトレイル用の靴を履いてきたけれど、結果的にスニーカーで十分でした。
坂から海が見える・・・言っちゃうよ、エモいって。
尾根道の今は静謐な平和の中にあり、ここは桃源郷だと言ったら戦国時代の人は信じるかもしれません。
左手に急斜面、その向こうに海の見える静かな道、今年一番の癒やしです(早い)。
ううう海、相模湾。
この美しい風景を辿る小道は「白秋童謡の散歩道」として市の教育委員会も設定しています。
小田原、住める!
と思いました。
ニワトリさん、道路脇に柵もなく放し飼いですし。
うう海
「小田原城総構」の一辺は海岸線に沿っていて、海まで下りて行くとまたそちらの世界もあります。
僅かに漁師町の名残を残しつつ、新しい住宅も建ちつつの海岸線もうららかでした。
今は海岸線ギリギリには西湘バイパスが走っていて、それを挟んで海岸なんですけどね。
たまに小さなトンネルから見える海がまた青い。
ねこさん
一里塚跡から海岸線を離れ、再び内陸へと登ります。
たまに土塁の残りがありますが、大半は均されてしまったとのことです。
下の写真では右手が保存された土塁です。
ねこさん
水堀の残りのような箇所もあり。
ぐるっと9km、1周して元の「城下張出」まで戻ってきました。
3時間ちょっとかかりました。
あとは適当に、総構以外の遺構を辿ったりしながら帰ります。
さて食べ物は、小田原駅の箱根ベーカリーで、クロワッサンのクロックムッシュを買ってみました。
バターたっぷり、外皮カリッと香ばしいクロワッサンに、ベーコンとホワイトソースを挟んでプチリッチな気分です。せっかくなのでワインと共に。
店舗併設のカフェでは、箱根ベーカリーのピザがビールやワインとともにいただけたりして心惹かれたのですが、この日は帰宅コースにしました。
小田原駅ビル5階の有隣堂には、小さいながらも郷土史のコーナーがあり、北条氏や相模の武士の本が充実していて、そちらでも時間を取ってしまったのです。
この日に歩いたのがお城の外郭だなんて、戦国時代にどういう状況だったのか正直理解が追いつきませんが、今は絶賛癒しの散歩道でした。
年を越せないってどういうこと?笠地蔵から考えた
幼い頃に絵本で読んだ「笠地蔵」に、
「おじいさんとおばあさんは笠が売れないと年を越せません」
と書いてありました。
年を越せないとはどういうことだろう?
幼い私はなんとなく、大人の言葉でいうと「世間一般の人が正月を迎えるために必要な飾りや食材を買うことができない」
という状況を想像していました。
一方で
「年末年始は食糧を購入できないため、事前にある程度まとめ買いしなければならないが、まとめ買いできるほどの資金が無い」
という可能性もあると思いました。
いや、子供なので社会的な観点からの分析は無理なんですけど、なんとなくやんわりと、その2つの可能性をイメージしていたのだと思います。
この2つのうちのどちらが正しいのか、未だに明確な答えは出ないまま、私は年末に食べ物をいただくと
「いやーありがとうございます。おかげさまで年が越せます」
なんて返しております。
コンビニや冷凍技術が無かった時代を想像してみましょう。
お店も全部閉まっていて、食糧の調達手段が無いのです。
森のリスよろしく、保存のきく越冬の食糧備蓄の必要があったのではないでしょうか。
おせち料理は、ごく最近でこそローストビーフとかサラダとかカルパッチョとか言うてますけど、
昭和ならばカマボコ、黒豆、伊達巻、昆布巻、なます、小魚の佃煮など(地方差あり)、日持ちするメニューでした。
すなわち、庶民が「年を越す」というのは、フィジカルにsurviveすることと、儀礼的・形式的に新年を迎えることとの、統合形というのが現在の私の考えです。
ところで、もう何十年も真面目に読んでいなかった「笠地蔵」ですが、
現在の絵本は
「笠が売れないと、正月の餅を買えません」
という記述が多いようです。
なるほど、「餅を買えない」だと状況が具体的ですね。
現代のお子様でも、お餅を買えないおじいさんとおばあさんの経済状態に同情できることでしょう。
さて諸事情により、私は東北の故郷に帰省せず単身で年末年始を首都圏で過ごして十年以上になります。
低所得でも、なんならコンビニでドリアだのパスタを元日から食べられる現代において、
「年を越すのが大変」
とはどういうことなのだろうと、年末年始に毎回考えてしまうのです。
写真は、大晦日にいただいた、ちよだ鮨のさば寿司と海鮮軍艦です。
大晦日に生ものをいただいてしまいました。ありがたい時代です。
お正月には簡易なお汁粉をいただきました。お椀ではなくマグカップですね。
あけましておめでとうございます。
松平好きのテーマパーク?岡崎市を歩いてきた
2018年の年の瀬、仕事の隙間で岡崎市を半日ならぬ4分の1日ほど散歩しました。
まずいきなり岡崎城を攻めます。
岡崎城は小ぶりな復元天守ですが、内側はコンクリート造りのミニ博物館のようで、お城の完全再現を目指していないところが潔かったです。
同じ岡崎公園の敷地にある家康館は、松平家や家臣団の詳しい歴史の展示があり、この場所ならではでした。
また、同じ公園の中に家康公産湯の井戸があり、まさにここで誕生したという臨場感もありました。
岡崎市の中心部には東西に国道1号線が走っており、その脇を旧東海道が縫うように続いています。
「二十七曲り」と呼ばれ、岡崎城の防衛のために通路を何回も屈折させたのだっそうです。
にこやかな家康公の案内を懐に、道標を辿りながら旧街道を歩けるのは楽しい仕掛けです。
正直、街並みにはそれほど風情を感じませんでしたが、この街の現在を把握しました。
個人商店が住宅の並びの中に点在している印象です。
風情といえば、旧街道沿いよりも、大きめのお寺の周りに住宅が密集している所にノスタルジーがありました。
神社仏閣は、ドカーンとメインのが明確にある訳ではなく、点在する神社やお寺がそれぞれに大きいのです。
伊賀八幡宮は、松平家四代目(家康は九代目)の親忠が三重県の伊賀から勧請したのが始まりと伝えられています。
大樹寺は、戦闘に敗れた若き家康が逃げ込み自害しようしたところ、住職から大志の教え受けて思い留まった場所だそうです。
上の写真は山門で、その後ろにお寺本体があります。
岡崎市の神社仏閣が個々に大きめなのは、天下を取った家康と親族と家臣団の帰依が大きかったからではないかと推測しました。
さて、食事は八丁味噌の老舗「カクキュー」の工場に併設された食事処にて、味噌カレードリアを食べてみました。
思ったよりカレーと味噌の双方がマイルドで、譲り合うような優しさがありましたが、卵やチーズと溶け合ってタレにご飯が埋もれるドリア世界を縦横に堪能できました。
ところで岡崎の八丁味噌は、最近ちょっとした諍いがあるのですよね。
老舗の2店ではなく、新しいほうの定義に合わせて八丁味噌を登録したために異議が出て、2018年12月現在解決していません。
これが解決すればもっと街全体で味噌をフィーチャーして盛り上がれるのに、惜しいことです。
解決は他人任せにしてしまいますが、家康と家臣団好きが訪ねたら数日は必要な街だと思いました。
そうそう、オカザえもんは相変わらず岡崎市の非公式キャラクターなのですが、岡崎城にも展示の一部分として居たので地位を確立しているようでよかったです。
以上、年末のいきなりプチ旅レポートでした。
追記:
岡崎は松平のふるさとのみならず、南北朝~室町時代に活躍した足利氏に関連する一族が多く住んでいたのですね。
今後はそちらの視点からも攻めたいところです。
お味噌の料理もまた食べたい。